イームズシェルチェアの素材の違いと選び方 | 名作家具とデザインの話

イームズシェルチェアの素材の違いと選び方

私はイームズ関係なら任せてくださいというぐらい知識や提案に自信があります。

イームズマニアというわけではないのですが専門の一つですね。自分のやっているお店もそうですがアメリカンミッドセンチュリーが最も得意な分野なんです。

”イームズ”の名前は有名ですが、イームズと検索すると間違った情報や嘘や誤解がある情報がほとんどです。 イームズとはいったどんな人物か、どんなことをしたのか、詳しく正しい情報をお伝えします。

そしてそのイームズというとイームズシェルチェアが一番有名でしょう。

ハーマンミラー社から現在も正規復刻されているのですが、素材がポリプロピレン、FRP、プライウッドと3つ用意されています。

初めてイームズプロダクトを知ったという人にはこれらの素材選びが難しいと思います。

「値段が違うけど、どういった目的で選べばいいんだろうか・・・?」となっちゃいません?

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そこで私がそれぞれの違いや選び方を書いてみます。(価格は2017年7月現在)

その3種類は。

http://www.hermanmiller.co.jp/products/seating/multi-use-guest-chairs/eames-molded-plastic-chairs.html

ポリプロピレン製
¥40,000(税別) ~

イームズプラスチックシェルチェアという名前です。

http://www.hermanmiller.co.jp/products/seating/multi-use-guest-chairs/eames-molded-fiberglass-chairs.html

FRP製
¥58,000(税別) ~

イームズファイバーグラスシェルチェアという名前です。

http://www.hermanmiller.co.jp/products/seating/multi-use-guest-chairs/eames-molded-wood-chairs.html

プライウッド製
¥82,000(税別) ~

イームズウッドシェルチェアという名前です。

これらの素材です。

いざ自分がシェルチェアが欲しいな!となったときに、どれを買うべきなのか。

まあ簡単な答えは予算ですよ。 身も蓋もない。

値段がご覧の通り全然違いますので、自分に合わせた予算で選べば良いです。

でも、値段じゃなくて好みや、自分に合うもので決めたいという場合です。
私もよく「もし値段が一緒ならどれが欲しいのか」ということはシェルチェアに限らずどんな家具にでも言うことです。

でもそれには判断材料が必要です。

素材は違うのが、どういったストーリーがあって、どうして存在するのか。
それを知らないと、そもそも好みにたどり着けない。

何を判断にして自分の好みに合うかがわからないということです。 これ伝わります?

私が思うにこうです。

長文なので頑張って読んでください。

ポリプロピレン製(以下PP)ですが、これは復刻したシェルチェアにしか存在しない素材です。

もともとイームズのシェルチェアはハーマンミラー社で1949(48)年から製造販売されていたものです。最初はゼニス社で製造ですよ。もしくなジーニス社。ゼニスプラスチック社。

それを80年の終わりまで続けていました。その時の素材はガラス繊維の入った強化プラスチックでいわゆるGFRP(もしくはただFRP)という素材でしたよ。90年の初めまでは在庫を売ってました。
ただまあこれが「環境に良くないよね」。なんてことで製造を辞めまして長らくハーマンミラー社ではシェルチェアを販売してなかったんです。

環境に悪い理由はリサイクルできずに燃やすと炭素がたくさん出るということでした。

それからシェルチェアを最初に復刻製造したのがドイツのヴィトラ社でした。(Vitra)
それが2002年ぐらいだった気がするのですが、その時に素材をPPにしたんです。
パントンチェアとか他の家具でもPPにしたのが多かったですね。
PP復刻当時のカラーですが、50年代からあるようなカラーをPPで再現した感じでした。

後に2010年からはハーマンミラー社は自前でPPのシェルチェアを製造販売するようになりました。
2010年だった気がします。

現在でもイームズライセンスの関係で、ヨーロッパなどはヴィトラ製が正規品で、それ以外はハーマンミラー社が正規品となり製造販売されています。

今ではペールカラー、つまり淡いカラーが多くカラーバリエーションも豊富です。

カラーチョイスも過去に存在した色を踏襲せずに、現代のニーズに合わせた色合いが特徴です。
素材と相まってナチュラルな空間にも合わせやすい素材だと思います。

イームズの椅子だからと言ってアメリカンミッドセンチュリー感に薄いので、イームズは好きだからシェルチェアは欲しいけど、北欧テイストに合わせたいとか、現代的な空間にしたいとか、色が薄めの木の家具に合わせてライトな部屋にしたいとか、そんな要望の場合はPPだと思います。

ファイバーグラスシェルチェア(以下FRP)ですが、これは2014年に復刻した素材です。

先述の通り過去にFRPで製造を辞めた経緯があっての復刻ですが、今回はリサイクルできる環境に配慮したFRPというのが売りです。
だから厳密に言うとヴィンテージに存在するようなFRPとは同じ素材ではありません。

昔はどうやってイームズシェルチェアを作っていたかご存知ですか? ここで1948年から行われていたFRP(ガラス繊維入り強化プラスチック)製のシェルチェアの製造風景の映像があるのでご覧いただきましょう。 さらに現代の復刻したファイバーグラスシェルチェアの製造方法についても書きました。

このFRPはヴィンテージで存在した素材ということを意識していますので、カラーもヴィンテージに存在したラインナップを踏襲しています。昔にあったシェルチェアにあったカラーを再現しているんです。
だから最近では見ないような結構きつめの色合いです。オールド感があります。

そのため、ファイバーグラスシェルチェア単体で置いてあるとまさにイームズのシェルチェア!であり、ミッドセンチュリーモダンの象徴という感じがします。

私のようにヴィンテージからイームズに入った人にとって馴染みがある素材はこちらでしょう。

FRPは存在感が違いますよね。主役感があります。
濃い目のダイニングテーブルや空間に合わせると、渋くなり、まさに格好良いと呼べる空間となります。

さらにこの素材は経年劣化が味になるということがあります。
傷がついても日焼けしても、それが味です。使い込んでいく楽しみ、長年の変化を楽しむならFRPですね。

それからヴィンテージの物が好きな人や、イームズ自体が好きな人、重厚さを求めたりする人にはこの素材です。

ウッドシェルチェアはプライウッド、成型合板ですね、これは2013年に新発売した素材です。
ヴィンテージでは存在しません。

昔、構想はあったんですよ。

イームズはシェルチェアを成型合板(プライウッド)で作りたかったんです。
でも当時の技術ではこの形を作ることはできませんでした。
試作品はいくつも残っているんです。

2013年に新発売したイームズウッドシェルチェアは、70年以上前から考えられていた椅子です。 時を経て実現されたイームズ夫妻にとっては夢の椅子なんです。

それがとうとう実現したわけです。60年越しです。
ハーマンミラー社の3D合板技術で生まれたわけです。
完全にシェルチェアの形を再現しています。これすごい。
それでいて他のシェルチェアと同じ保証期間5年を実現しています。

もうこれはですね、見た目の素敵さで選ぶものだと思います。
単純に見た目とクオリティで優秀な椅子です。
木の椅子としてこのデザイン性の高さ、座り心地の良さ、配色やバリエーションの多さ、そして値段。どれをとっても優秀です。

だからイームズとかハーマンミラーとか抜きにしても評価されます。

木が好き、でもイームズの椅子が欲しい。でもイームズプライウッドチェアはクラシックなデザインすぎて部屋に合わない。という場合はこのウッドシェルです。

例えば夫婦でかたや北欧が好きでナチュラルな木の色の家具で統一したい、かたやイームズのシェルチェアが好きで欲しい。そんなときはウッドシェルチェアのホワイトアッシュにすると折り合いが付きますよ。

元をたどるとイームズもアルヴァ・アアルトの影響を受けているので、その部分はスカンジナビアンと繋がってはいるんですけどね。

ウッドシェルはそうしたことに魅力を感じると良しです。

以上、あくまで私のこの時思いついた走り書きの偏見です。

なんか、参考になると良いですね。

相談したいとか、いろいろ教えてほしいとか、提案してほしいとか、そうしたことを求める人はご連絡ください。

Herman MIllerとイームズの専門家がミッドセンチュリーデザインを中心に優れた知識と提案をしています。個人法人問わずアーロンチェア リマスタードのご購入は当店が最高です。

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