イームズウッドシェルチェアと3D成形技術とは

2013年からハーマンミラー社より新発売した「イームズウッドシェルチェア」は、今までプラスチックのイメージしかなかったシェルチェアを一新し、クラフトな空間へのニーズへ応えられるようになりました。

実際格好良い。

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プロダクトストーリー

イームズウッドシェルチェアの本物の単一シェルは、ウッドベニアを複雑な曲線を持つ形に成型できる独自の3D成型技術を用いて製造されています。新技術により、イームズ夫妻の長年の夢であったウッド素材のシェルチェアが実現しました。

Herman Miller Japan HP http://www.hermanmiller.co.jp/products/seating/multi-use-guest-chairs/eames-molded-wood-chairs.html

ハーマンミラーのプロダクトストーリーには”長年の夢であった”と書かれていますが、そうなんです。

このウッドシェルチェアは製品としては新発売ですが、構想は随分前からあったんです。

それがこれです。

これこそが70年以上前のイームズウッドシェルチェアです。
その一部ですね。1941-42のものだそうですよ。

紹介文には実験的な成型合板の椅子って書いてありますし。molded-plywood chairって。
シェルの形を作るために試行錯誤した感じですね。

プライウッドで曲線を描くと割れやすくなるので、中心にスリットを入れたり穴をあけたり工夫が見てとれます。

一番左なんかは黒いゴムのショックマウントも付いていて、シェルチェアの様相を呈しています。

しかし、当時の技術ではこれが限界でした。

成形合板(プライウッド)で背と座を一体成型にしたデザインでは、強度が不足し実現しえなかったのです。

そして時が流れてとうとう2013年にハーマンミラー社とイームズオフィスの共同により、3D成形技術を利用することで実現したわけです。

時を経て夢の椅子がとうとう出来上がったというのはロマンです。

して3D成形技術というのはどんなものか。

それがこれですね。

これは実際のハーマンミラー工場でのサンプルカットです。
丸く盛り上がっていますよね。べニア自体に工夫があり、たぶん裏側は見せない方が良いと思うのでお見せしませんが、見事に半球状にカーブを描いています。

ハーマンミラー米国本社にある各工場を案内してもらいました。 イームズやネルソンといった名作プロダクトはここで作られています。

このべニアへの加工が3D成形技術で、あの見事なシェルチェアの曲線を再現した椅子を作ることが出来ているんです。

この技術が必要な理由として、通常の成形合板の製造方法では、これほどまでシェルチェアシェルチェアした曲線と強度を再現するのが現代でも難しいからです。

通常の成形合板の作り方をものすごく簡単に説明すると、「薄くスライスした木材を接着剤とともに積層にして圧着」で完成です。簡単すぎる雑な説明です。

そこに一手間手を加えて、あれやこれやしたのが先ほどの写真です。

普通の合板とは造りも違いますし、手間も違いますので、それがウッドシェルチェアの価格に反映されるわけですね。なんせ保証5年ですから。

すでにイームズ夫妻は亡くなっていますが、こうして彼らの意思を継ぐ者たちにより夢が実現されるわけですね。

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