– Eames Lounge Chair –
デザイナー:Charles & Ray Eames (チャールズ&レイ・イームズ)
ハーマンミラー社から1956年に発売され、現在まで製造販売されている代表的プロダクトの一つといえば写真の”イームズラウンジチェア”です。同時にイームズ夫妻による傑作ラウンジチェアでもあります。
イームズラウンジチェアはミッドセンチュリーを代表する名作椅子です。
ストーリーから製造方法から裏話から模倣品の話まで全部します。
これを読めば本当のイームズラウンジチェアの魅力がわかります。


20世紀を代表するラウンジチェアのひとつ
あまりにも名作過ぎる家具なので人生で見たことが無いという人の方が少ないと思います。
家具に興味が無くても映画やCMや写真作品などどこかで見ているのではないでしょうか。
一目見れば記憶に残る強い存在感を持っています。
誰が見ても重厚でエグゼクティブな外観は、憧れの名作椅子として60年以上の時を経ても今なお輝きを失いません。
最近は英語表記のEames Lounge Chairの頭文字をとって「ELO」と公式では呼んでいます。
イームズDSRやDCWのような感じですね。

現在はさらにイームズ自体の評価も上がることでマスターピースとしてこのラウンジチェアは評価されています。

素材や構成
本体を構成している素材は意外と少なく、成形合板(プライウッド)と牛皮革にフォームラバー、そしてアルミダイキャストベースで作られています。
このデザインで本体から脚まですべて分解も可能となっています。
修理の際にその部分だけ交換できるように合理的な構造になっているのはさすがです。見た目だけではありません。
”肘掛で背もたれを支える”という奇妙なディテールをしており、それでいてこの重厚で魅力あふれる風貌をしています。
合板とレザーでここまでの圧倒感を表現をするのはまさに名作たる証です。
どこをとっても素晴らしく間違いなくパーソナルチェアの最高峰です。
19世紀のイギリスのクラブのようなチェア
このラウンジチェアは「19世紀のイギリスのクラブチェアを20世紀版に解釈したものと評される」と公式に説明されています。
『野球の一塁手のミットのように身体を温かく受け入れてくれてよく使われるイス』
『19世紀のイギリスのクラブでの紳士のように、男と男が心置きなく集まり談笑できる環境を20世紀の椅子としてイメージしたもの』
イームズ夫妻はこのような想いでラウンジチェアを作り上げました。
彼らの得意技術である成形合板技術を生かしてはいるものの、プライウッドチェアやシェルチェアといった今までの家具デザインとは一線を画し、ボリュームのある豪華なデザインが人々を座りたい気持ちにさせます。
イームズラウンジチェアは発売当時の価格は$404でした。
当時の消費者物価指数は調べていませんが、50年前半の頃の米国はフォードの新車が$600以上という記述が残っていますので、かなり高額な椅子だったと言えます。
発売時は評価がわかれた
現在ではこのイームズラウンジチェアは誰が見てもその重厚かつ端正なフォルムに憧れるものですが、発売時はそうではない意見もあったそうです。
渡辺 力著作の「ハーマンミラー物語」に当時の評判が書き記されています。
しかし、無条件でこの椅子に一票を投じる人ばかりではなかったということです。これまでのイームズ・チェアの、軽さ、エレガンス、シンプル、ローコストから外れているというのです。チャールズ自身は、『外づらは悪いかもしれない、しかし、多くの人たちに楽しんで使ってもらっている』といっていました。引用:ハーマンミラー物語P.120
外づらが悪い!!??なんてまさかです。現在からは考えられない驚きの話です。
そう言われるのは書いてある通りで、イームズラウンジチェアはそれまでのイームズデザインの家具に比べると突然製造コストをかけて重厚かつ豪華なデザインとなっており、ミニマルシンプルなデザインかつ一般的に手が届きやすい価格だった家具とは真逆の存在だったからです。
それに戸惑う人たちも居たということですね。
月日が経つことで評価は高まり、いつ頃からかこのイームズラウンジチェアを所有することが一種のステータスにまでなりました。
まだ当時としてはあまりに優れすぎていたゆえに価値が伝わりづらかったのかもしれません。

家具は評価されるのに時間がかかるものです。
もちろん当時から未来を予測した評価もされていました。

現在も続く伝統的な製造
私はミシガン州のジーランドにあるハーマンミラー米国本社に行き工場でイームズラウンジチェアの製造風景を見学してきたことがあります。
プライウッドの成形から革の裁断まですべてを同じ場所で行い、磨き、縫製といった部分まで手作業での仕上げを当時のまましています。
昔と違いコンピューターが導入されていることで効率化は図られていますが、工程一つ一つを人の手で行うというクラフトマンシップ溢れる製造は変わっていません。50年代当時と同じ作り方をし続けています。
伝統と格式だけでなく、クオリティまで追求するラウンジチェアです。
過去も昔もイームズラウンジチェアは最高の座り心地を皆さんに届けてくれる最高峰のパーソナルチェアです。
最近ではヘッドレストが長くなる「トールサイズ」のラウンジチェアも存在します。

以前日本では日本製が流通していていましたが現在は米国製のみです。
私も両方販売していましたが両者とも違いがあるんですよね。
アメリカ製と日本製のイームズラウンジチェアは明確な違いがあります。
それから、最初期のイームズラウンジチェアはウッド部分をブラジリアンローズウッドを使用し、クッション内部も半分だけフェザーを入れていました。
現在はブラジリアンローズウッドに変わり、サントスパリサンダーというローズウッドではありますが別の木で製造をしています。
クッションはフェザーは入れずウレタンだけです。
永く使うためにはメンテナンスが必要です
イームズラウンジチェアを”一生モノの家具”として購入する人が多いはずです。
でも、一生使いたいのなら一生使えるようにしないといけません。
大切に使うのはもちろんですが、長く使えば壊れる部分や破損する部分もでてくるでしょうし、劣化する部分や汚れる部分などいろいろあるでしょう。
直しながらなんとかしながら一生使えるように頑張ります。いつかはオーバーホールも必要かもしれませんね。
ハーマンミラー正規品を新品で購入した場合は保証が5年付きますが、問題は保証が切れてからです。
ここからが勝負ですね。
いかにうまく使い続けられるか、修理など出来るかが肝心です。
普段もレザーのメンテナンスが必要です。
メンテナンスの仕方や牛革はどう使っていくべきかを理解して丁寧に座り続けましょう。
メンテナンスの仕方や使っていく上でのコツや気を付けないといけないことは非常に重要なことです。
せっかく買っても壊れて修理が高くつくようではもったいなさすぎます。
プロからレクチャーを受けて長く付き合えるところから買いましょう。
買って終わりではなく、その後の相談や困った時に頼る相手が必要ですからね。
もちろん私は顧客に伝えていますし、メンテナンスをしに行ったりすることもあります。
最後に模倣品問題について
(私がミシガン州のハーマンミラー資料室で撮影したイームズラウンジチェアのオリジナル図面です。)
このラウンジチェアはミッドセンチュリー期のみならず、あまりに名作家具すぎるために模倣品も世間では溢れています。それらはリプロダクト品やジェネリック家具などと称されています。
正規品はハーマンミラー社のみです。現在も新品の製造販売を続けています。(EUではヴィトラ社もです)
まず、「イームズ」および「EAMES」は商標登録されている名称のため許可なくイームズの名称を使用して販売するなどは出来ません。商標権の侵害となりまます。本来はⓇマークを付けないといけません。

米国ではイームズラウンジチェアは立体商標をとっているため、見た目を真似することも商標権の侵害となっております。日本に比べて米国ではハーマンミラー社やイームズの認知度が高いためです。
つまり、イームズラウンジチェアのリプロダクト品やジェネリック家具という売り方は、ブランドバッグの海賊品と同じですからすべて商標権の侵害をしているコピー品です。意匠権とか関係ありません。
そもそも、イームズラウンジチェアのリプロダクトとかジェネリックとか高くないですかね。
数万円から20万円とかありますよ。そんなお金出すなら他のデザイナーの良いラウンジチェア買えますよ。あくまでイームズラウンジチェアはハーマンミラー社の製品だけが価値があるんです。
見た目だけ真似た椅子にそれほどの価格の価値はありません。わざわざ価値のない物にお金を出すなんてもったいなさすぎます。
だったらその価格でイケアなりなんなり行った方が予算も抑えられますし人生が充実すると思いますよ。
イームズラウンジチェアを買うならお薦めはこちら
高額な家具のため、実際購入する際にはプロとよく相談のうえお求めください。
納品から保証に関わる全てが間違いなくできる人物が必要です。
ハーマンミラー社の製品は購入店を通さないと保証も対応もしてもらえないためですし、何より保証が切れてからの修理やアフターフォローや、困りごとを解決でききないといけません。
新品購入時の納品時のトラブルもありえますから、そこからしっかり対応できるような販売店選びが大切です。
アフタフォローで高くつかないようにもするためです。
全てを知っている販売店を探している人には私がいますのでぜひどうぞ。
イームズラウンジチェアを最もよく理解している一人ですので、答えられない疑問、質問はありませんし、最も深い提案まですることが出来ます。
ヴィンテージから新品まで過去かなりの件数の販売と納品とアフターフォローを行っており、メンテナンスの仕方や故障の際のトラブル解決や張替えから何でも経験しています。
それでいて自分でハーマンミラー正規販売店をやっていますので保証も販売も大丈夫です。顧客にとってより良い対応が出来るのが売りです。後で高くつきませんよ。
私よりいろいろ出来て詳しい人を探す方が難しいですから、ラウンジチェアご相談やご購入はぜひどうぞ。
きっと良いお話ができますよ。
私はお客さんのために頑張りますし動きますから、困ったときや何かあった時の相談役として販売後もお付き合いいたします。後で高くつかないように尽力しますし、修理代で稼ぐようなやり方もしていません。
ラウンジチェア購入後、他のことの何でも相談などありましたら乗ります。
逆に、このクラスの家具をプロと相談をせずに、そして困った時に頼れる先もないというのは不安です
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愛知県名古屋市中区栄3-33-28 Uビル2F
TEL 052-243-1950
HP https://www.casestudynagoya.jp/

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