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バルセロナチェアの歴史と正規品がなぜKnoll社なのか解説

– Barcelona Chair –

デザイナー:Ludwig Mies van der Rohe (ルードヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ)

 

バルセロナチェアとはドイツの建築家ミース・ファン・デル・ローエがデザインをした歴史的な超有名名作家具です。

とても1929年にデザインをしたとは思えないほどモダンで洗練された椅子です。家具好きなら誰もが知っているデザインですし、著名人や映画のセットとしても幅広く愛されています。

でも、バルセロナチェアの歴史まで詳しく知っている人はたぶんほとんどいないと思います。

 

そんなの簡単でしょ、バルセロナチェアは1929年のバルセロナパビリオンのために作られた椅子でしょ。バルセロナ博覧会のドイツ館の設計をしたミース・ファン・デル・ローエが、そのスペイン国王アルフォンソ13世夫妻に座ってもらうためにデザインしたんだよね。

 

そうですね、その通りです。

・・・というところまでは何処でも書いてあるのでご存じでしょうが、その後です。

 

どうしてそんな家具が製品として流通して、それがなぜ米国ニューヨークのKnoll社にて製造販売されるようになったかをご存知ですか?

解説しますね。

 

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バルセロナチェアの複雑で長い歴史

いまでこそバルセロナチェアは米国ニューヨーク州のKnoll社が正規販売メーカーですが、最初からKnollじゃないです。 (Knollの読みはノルまたはノール)

Knoll社は1947年から製造販売を始めました。

その前に製品として製造はされていました。

 

最初にバルセロナチェアが商業用として製造販売されたのは1930年のことです。

最初はヨーゼフ・ミュラーのスタジオからリリースされたそうです。
それからBamburg→Thonet→Titlegrats→Knollと製造工房・会社が移り変わっていきました。

いくつも会社を渡り歩き現在の形になったわけです。

 

どうしてKnollで製造販売されるようになったのか

 

【バルセロナチェア】ルードヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエのストーリー
バルセロナチェアでとくに有名なミース。その彼自身のストーリーを理解すると巨匠ということがわかります。 世界三大建築家の一人の人生を書きました。

 

ミースの経歴については書きましたので上のリンクを参考にしてください。

彼はナチスからの迫害を恐れて米国に亡命します。

そしてシカゴのイリノエ大学で教鞭をとっていました。

そこでフローレンス・ノル(ノール)に指導をしていましたが、これきっかけで後のフローレンスと師弟、そして友人としての付き合いが始まります。

 

フローレンス・ノルのストーリー
Knollにおいてもっとも重要な人物のひとりであり、ミースやサーリネンなど優秀なデザイナーを同社に導いた立役者でもあります。 彼女はデザイナーとしてモダンで名作な作品を残しています。

 

ミースは米国で自分のデザインを製品化したいと考えていたのですが、2社ほど家具会社に自身のデザインを試作させてみたところ期待通りのクオリティにならなかったそうです。

そこでフローレンスに相談しKnoll社にて研究開発されることになったんです。

なぜならフローレンス・ノルの旦那はKnoll社代表のハンス・ノルだからです。

 

ハンス・G・ノルのストーリー
米国Knollの創業者であり、優秀なセールスマンであった彼は、アメリカンモダンファニチャーに大きく貢献しました。 彼がいないと今日のモダンはなかったかもしません。

 

1929年のオリジナルバルセロナチェアはミース的に納得していない部分があり、それが”フレームのビス止め接合部がむき出し”になっていたことでした。

この解決をミースはKnoll社に要望したんです。”なんとかならんかね?”と。

 

ステンレススチール(新しいKnollショールームの写真 https://ogitaka.com/2018/11/15/aoyama_knoll_showroom/)

Knoll社側はいろいろ考えた結果、当時としては大変高価なステンレススチールを採用することにしました。

これにより各部を溶接後に研磨して継ぎ目のない鏡面仕上げが可能となりました。

さらに、ダイス加工することで研磨後にピンホールの引きキズを無くすという技術を開発しました。

おかげでフレームに全く継ぎ目のない一本のスチールのような仕上がりに見えるようになりました。

それと、ステンレスの弾力により座り心地もアップ。

 

これにミースがものすごく満足してバルセロナチェアだけでなく、自身の他のデザインもKnoll社に家具製造権を与えたんです。

 

ミースの契約

契約書の中で、特に以下の部分をミースはKnoll社代表のハンスに強く求めました。

 

” 全ての製品はミース自身によって承認されたドローイング、サンプル、モックアップに基づき製造されなければならない ”

(ちなみに私はこの契約書を写しですが実際に見たことがあります。)

 

フローレンスはミースを心から尊敬していました。

バルセロナチェアはKnollのシンボルとして守っていきたいと考えていたそうです。

 

そんなわけでバルセロナチェアの製造に関してはKnoll社は現在も細心の注意を払っているそうです。

 

それで今日までKnollが正規で製造販売しているんですよ。

ミース自身が認めて、当時と同じ製造を作り続けていることで確実にKnollの物だけが正規品と言えますよね。

ライセンスも管理されています。

 

今では製造工場がアメリカとイタリアで二つありますので、それぞれのバルセロナチェアが存在します。

また、日本製も過去には存在しました。

日本ではそういった理由から日本製のバルセロナチェアの方が多いです。

というより、過去に購入をされた方はほぼ日本製造品です。

上写真のものは以前私が持っていた日本製の正規バルセロナチェアです。

 

果たして日本製とアメリカ製とイタリア製の見分けがつくでしょうか。

全部見たことがある人じゃないとわからないと思います。

私は全部見たことがありますし比べたこともあります。

 

参考になりました?

一つの製品の背景には多くのストーリーがあるものですね。

バルセロナチェアをお求めの方は私に声をかけてください。

 

問題だらけ!「リプロダクトとは」「ジェネリック家具とは」
リプロダクト家具やジェネリック家具が問題のないものだと思っている人たちはこのページを必ず読んでください。 そのうえでどういったものかを判断してください。世論が間違っています。

 

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