– Eames Aluminum Group Chair –
デザイナー:Charles & Ray Eames
名作オフィスシーティングチェアとして君臨するこの椅子は、もともと”ある邸宅”のためにデザインされた椅子から製品化されたものです。
イームズ夫妻のみならず、ハーマンミラー社の名作オフィスチェアです。
アルミナムグループチェアが生まれた理由
カミンズエンジン社の創業者であるアーウィン・ミラーの住宅をインディアナ州コロンバスに建設する際に、建築をエーロ・サーリネンが担当し、内装をアレキサンダー・ジラードが担当しました。
その邸宅のために「屋外用の上質な椅子が欲しい」と考えたジラードは、チャールズ・イームズに家具の製作を依頼しました。当時はアウトドアに使える良い家具があまり無かっただからだそうです。
イームズはフレームからベースにアルミダイキャストを採用して、背と座には合成繊維のメッシュ素材を張りました。当時としては他に無い構造のデザインでした。
フレームで張地を引っ張る構造は、今までの堅い座面の椅子を脱却しつつ見た目にも美しいフォルムとなっています。
その椅子が1958年にはハーマンミラー社より製品化され発売されました。
発売当時の名前は「indoor / Outdoor Group」です。上の画像は発売当時の広告です。一目で屋内外どちらでも対応していることがわかります。
この2年後の1960年には肘掛が付いたダイニング向けが発売されました。
そして1969年には皆さんご存知の仕様となり、オフィスやデスク向けのマネジメントチェアとエグゼクティブチェアが発売されました。ファブリックやレザーを採用することで幅広い空間に合わせて対応することが出来ます。
これにより名称が「イームズアルミナムグループチェア」となりました。
現在はベースを5本※に分かれた脚に変更をし、張地のラインナップも格段に増えることでますますその汎用性の高さを広げています。※キャスター仕様のみ
また、シッティングポケットという工夫によりお尻の部分がくぼみ、レザーの背と座の部分はウェルダー加工(熱加工)をするという工夫が施されています。
イームズデザインに限らず、レベルの高いオフィスチェアとして現在も一般的に使われています。
伝統を感じる空間や椅子を求める際には非常に親和性が高い椅子であり、その頑丈さから何十年と使用されている実績もあります。
なお、模倣品が溢れている製品ではありますが、イームズは商標登録されているデザインのため正規品かつ本物はハーマンミラー社のみとなっております。(EUはヴィトラ社)
とにかく頑丈で長く使える椅子として良いものです。
性能は現代のオフィスチェアの方が優れていますが、何十年も使い続けられるのはこのイームズアルミナムチェアの良さです。
2020年12月よりガス圧シリンダー仕様を在庫販売するようになりました。(下記よりご注文いただけます)
https://www.casestudynagoya.jp/SHOP/eames-aluminum-group-management-chair-ea335pvdll2109.html
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