コロナウイルスにより緊急事態宣言が出されて以降、企業もテレワーク/リモートワークが盛んになり、在宅で使用できる快適な椅子が急激に求められています。
特に高性能なワークチェアは求める人が増えたことで供給が追い付かず納品待ちの状態ともなっています。
そんなワークチェアの中古市場も需要が随分増えているようですね。
各社の販売ページを見ても品切れの表示が並んでいます。
それとネットオークション類もワークチェアの需要が増えているようで取引が活発の様です。
それに、オフィスチェアが新品でもう在庫切れの状態でもあるので、中古でもすぐに手に入るのならといった需要も集まっているのだと思います。
ただあれですね、あれです、取引相場が上がっていますね!
以前まで3万円ぐらいだったオフィスチェアが今では5~6万円になっていたりしますし、軒並みオフィスチェア類は中古の流通相場がぐっと上がっています。
需要が増えているのでそれに対して価格も上がるというのは市場の原理として普通ではあります。
ただ、中には商品紹介部分の定価を偽って書いている場合があったり、アーロンチェアという名前なのに全然アーロンチェアじゃない物があったりしました。わかりそうなものですが・・・
ちゃんと価格として適正かどうかは確認が必要でしょう。
まぁもちろん良識ある中古業者が大半でしょうけどね。
一部業者と一部ネットオークションは注意が必要です。
数が少なくて欲しい人が多いのなら”高くしても売れる”というのは、昨今のマスクや衛生グッズなどを見ればわかります。
今までウェットティッシュは200円ぐらいで買えたのに、先日スーパーをみたら700円とかになっていましたからね。高すぎ。
でも私や、良識あるオフィスチェア正規販売店たちは値上げもせずにサービスも変えずに販売していますよ。どのメーカーでもそれは同じです。
さすがにオフィスチェアを定価より高く売るのはいけませんからね。
けどサービスが劣化しているところも見ました。人は人、うちはうちということで人の商売に口出したりはしません。
私の話になりますが、ハーマンミラー製品なんて2020年の1月に値上がりしたのに、価格を以前のまま据え置きということをしているのですけど、要はそのぶん値引き状態なんですよ。地味に辛いです。
でも今でも価格を定価に戻すこともなく以前と変わらず販売しています。(うちだけじゃなく大抵の正規販売店でそうしています)
需要があるのなら定価に戻して高く売っても良いのかもしれませんけど、そんな目先の利益のために不信感を与えるようなやり方をするのは先々損ですからね。
求める人には変わらない対応をするべきです。
それが今まで買ってくれたお客さんたちとこれからのお客さんたちへのフェアな対応だと考えています。
できる限り皆さんに納得してもらえるように頑張っているつもりです。
至らない点があるのは申し訳ないです。
さて、遅くなりましたがタイトルにある中古のセイルチェアの見分け方についてお伝えします。
今はあまりにもハーマンミラー社のセイルチェアの需要が多いので興味がある人も多いはずですから。
まず、セイルチェアの説明については以前の更新↓をご覧ください。
セイルチェアは米国で2010年に発売し、日本では2011年5月に発売をしました。
上のリンクでも説明しましたが、セイルチェアの初期ロットには初期不良がありましたので、中古で買う場合2012年以前の個体は初期不良品ですので注意をしてください。
初期不良品でも修理対応されている個体なら良いかもしれませんが、そもそも現在までに9年近く経過していますから長く使えるかは不明です。
この初期不良品が明確にいつまでの製造ロットかは私も知りません。
2012年製造のものにあるのかないのか不明です。
分解して該当箇所を見たらわかるのですが・・・
この問題があったためセイルチェアは不良個所を改修することになりました。
不良が改修されている個体が一応2012年製からとしておきます。(先述の通り期間はあやふやです)
それからしばらくセイルチェアは特に変わりなく製造販売が続けられましたが、2017年の3月にアーム(肘掛け)の仕様が変更されました。
↑まずこれが2017年2月以前のセイルチェアのアームレストです。
アームを一番上まで上げると下がるようになるという曖昧な構造でした。
↑そしてこれが2017年3月以降のセイルチェアのアームレストです。
サイドにレバーボタンが付いています。
このレバーを押している間だけアームレストが上下に動くようになりましたので使いやすさがぐっと上がりました。
さらにアームパッドの先端を短くしたことで、机に少しだけ当たりづらくなりました。
余談ですがフルアジャスタブルアームという仕様が存在します。
アームパッドが前後左右に動くようになるのですが、これは受注生産仕様のため納期に2~3ケ月かかるもので、かつ追加予算¥8,000(税別)が必要です。
新品で10万円を超えるセイルチェアはこのアームパッドになっていることが多いです。
ということで、肘掛にボタンレバーが付いていたら最新仕様のセイルチェアと思ってもらって大丈夫です。
セイルチェアの中古価格も以上を参考にしたうえで適正な価格か考えてくださいね。
同じセイルチェアだからといって同じ中古価格だとは私は思いません。
中古のセイルチェアの大きな注意点は保証がないところです。
というより、ハーマンミラー社の製品は最大12年間という長期保証が売りですが、中古や譲渡品には保証がありません。
保証は正規販売店から購入をして、その正規店を通して保証を受けるのがルールとなっています。
だから中古に保証書が付いていても、その保証書によって無償修理を受けることは出来ません。
セイルチェアを中古で買ってそれが壊れた時に有償修理に出した場合、故障個所によっては修理代金に何万円もかかってしまうことで、中古取得価格と合わせたら新品購入価格を超えることがあります。
どんなに些細な修理箇所でも修理代は2万円~ぐらいにはなります。何せ往復の送料が高いですからね。
これは本当に注意してください。
私はセイルチェアの中古市場価格をたまに見ますが、どれも一度でも修理をしたら新品価格と同等か、それ以上になるものがほとんどです。
一度も修理をしなかったら良いのですが、一度でも修理をしてしまうと中古のアドバンテージが無くなります。
保証は二回故障しても二回無償で修理をしますので、長い長いアフターフォローがあります。
中古にはそれがありません。
また、私のような専門家や正規販売店に相談やアフターフォローもできません。
私に連絡がありますが、自分のお客さんしか相談にのれませんし保証もアフターフォローもなにもできません。
中古を持っている人が故障パーツだけ取り寄せをしたいという要望もあるのですが、メンテナンスはパーツだけの販売はしませんからそれもできません。
パーツを取り寄せて自分で修理は難しいです。
よく状態を見て、どういった用途でセイルチェアが必要か考えて、価格とのバランスをみて判断してくださいね。
結局、新品を買ったほうが安くついたなんてことになってしまいますから・・・
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