アメリカンミッドセンチュリーを代表する重要なデザイナーといえばチャールズ・イームズ&レイ・イームズ夫妻です。
彼らのデザインは本当に素晴らしい物ばかりです。魅力ある製品は世代を超えて現代でも高い評価を得ています。
ところでミッドセンチュリー期には、他にも優れたデザイナー達はたくさん存在します。
しかし、ここ日本ではイームズ夫妻のプロダクトが特別人気が高いです。
どうして日本で特別に受け入れられ人気があり、また日本の環境にも馴染むのか考えたのですが、それはおそらくイームズ夫妻に日本要素があるからでしょう。
すごく単純なことなのですが、無意識に親しみを感じるのかもしれません。
イームズと日本の関係
例えば家具でこんなのがありますね。
背の低い小さなテーブルは、「イームズワイヤーベーステーブル」です。品番はLTRT。
これは”お膳”を意識したデザインです。
このLTRTを使用して、ロサンゼルスのイームズオフィス内でイサム・ノグチ、シャーリー・ヤマグチ、チャーリー・チャップリンらを招待してすき焼きパーティーをしたという話はあまりにも有名です。
さらにその時、日本のお茶釜を用意してお茶会まで行われたそうです。
こちらの写真はハーマンミラー社に関係する古い写真です。
イームズデスクユニットにシェルチェアといった製品の床には、なんと茣蓙(ござ)が敷かれています。
すごい組み合わせです。
50年代にロサンゼルスでこんなことやっている人はかなり珍しかったでしょう。和洋のアバンギャルドな組み合わせです。
ストレージユニット自体も日本の和箪笥からインスピレーションを受けてデザインされたものです。
この茣蓙を使ったコーディネートはイームズハウス内でもコーディネートされており、さらにハウス内では座布団を使用してもいました。
イームズハウス内に”こけし”がコレクションにあることも有名です。
さらに渡辺 力氏や剣持 勇氏など日本のデザイナーと交流がありました。
そのおかげで駅のベンチがFRPチェアを広く使われるようになったのも影響が大きいでしょう。
それにより、大抵の日本人が強化プラスチックの椅子を見たことがあります。
それからこんな写真もあります。
浴衣を着て食事をするチャールズです。
背景を見る限りはイームズハウス内です。
たまたま何かで着ていたのかわかりませんが、和の伝統に興味を置いていたのは間違いないようです。
こうしたイームズと日本要素が関係することに我々日本人は親しみを感じて、より彼の作品が評価されるのでしょうね。
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