– Eames Shell Chair Low Wire Base –
デザイナー:Charles & Ray Eames (チャールズ & レイ・イームズ)
ハーマンミラー社からローワイヤーベース仕様のイームズシェルチェアが復刻しました。
この脚はシェルチェアをラウンジチェアの高さにする物で、同社が復刻するのは初めてのことです。
ロイワーベースの歴史をお伝えします。
イームズシェルチェアのローワイヤーベースとは
ローワイヤーベースという脚は50年代から存在します。
当時のカタログ品名は「LAR」でした。Lounge Armshell Rodwireの略称ですね。
カタログには”armchair in the lounge height,with wire cage base”と記載されています。
wire cage base(ワイヤーケージベース)と呼ばれることもあれば、louge base(ラウンジベース)と呼ばれることもあり、low rod(ローロッド)と呼ばれることもあり、catscradle base(キャッツクレイドルベース)呼ばれることもありました。
キャッツクレイドルベースという名称について
catscradle(キャッツクレイドル)は”あやとり”という意味です。
このローワイヤーベースの見た目が”あやとり”の様だったために呼ばれるようになった俗称です。
正式名称ではありません。
ヴィンテージ市場では「キャッツクレイドル」の名称の方が一般的に使われている印象です。
よく「キャッツ」なんて呼びます。これで全然通じますよ。
アームシェルだけの展開と思われそうですが、実はワイヤーチェアにだけこのローワイヤーベースが選択できるようになっていました。(サイドシェルもLSRという品番で販売されていた記憶がありますが当時のカタログ情報が見当たりませんでした)
当時のシェルチェアは脚の付け替えが用意だったため、所有者自身で脚の付け替えをすることでサイドシェルチェアにローワイヤーベースを取り付けたりして工夫をしていました。
ワイヤーチェアにローワイヤーはその見た目の奇妙さが格好良いですよ。
以前私がやったことがあるので下記リンクをご覧ください。
イームズハウスでの使われ方
シェルチェアをラウンジハイトの高さにすることで、コンパクトなラウンジチェアとしても使えたり、座椅子のような使い方ができます。
上写真はイームズハウスの庭ですが、茣蓙の上に置いてワイヤーベーステーブルをお膳に見立ててジャパニーズスタイルな使われ方もしていました。
イームズラウンジチェアほど大きくないため、場所を選ばず使えます。
(正規復刻したジラード生地張りLARF)
ローワイヤーベースは80年代の終わりにファイバーグラスシェルチェアの製造終了とともに無くなりました。
それ以降今回の復刻まで製造されたことはありません。
このローワイヤーベースは日本製も存在しており、米国製のベースと高さが違います。
私の記憶では90年代以降も日本製のシェルチェアにローワイヤーベースの組み合わせで販売は続けられていました。
復刻したローワイヤーベースとは
アームシェルチェアのみローワイヤーベース仕様が復刻して選択可能となりました。
素材はポリプロピレン製のイームズプラスチックアームチェアと、グラスファイバー製のイームズファイバーグラスアームチェアの2つから選べます。
基本はシェルチェアの新しい脚というだけですの、用途に合わせたこのベースが選ばれるようになります。
ヴィンテージ品と違うのは脚先にクッション材として黒いパーツが付いていることです。
(厳密に言うと塗装もサイズも違いますが)
イームズラウンジチェアよりもっとコンパクトで使いやすい背の低い椅子が欲しい人には最もお薦めできるイームズの名作椅子です。
国内では全仕様受注生産品ですので納期がかかります。
私のお店でも販売していますので興味のある方は下記からお願い致します。
サービスとしてシートパッドを一枚プレゼントしていますよ。
イームズファイバーグラスアームチェア/ローワイヤーベース
イームズプラスチックアームチェア/ローワイヤーベース
正規復刻したローワイヤーチェアを動画で紹介しています。
下記からどうぞ。
コメント