ジョージ・ネルソンが1946年にデザインをし、ハーマンミラー社が正規品の製造販売を続けているミッドセンチュリー期を代表する名作家具の一つである”ネルソンプラットフォームベンチ”、「通称ネルソンベンチ」にガラス天板を置いている光景を見かけるはずです。
ベンチという名前ですがコーヒーテーブルとして使う人も多いのがこの家具の特徴です。
というより大抵の人がテーブルにしているかもしれません。
そうしてネルソンベンチの上にジャストサイズにカットしたのガラスを設置しているのですが、そもそもこのガラスを置くという考えは公式ではありません。
ハーマンミラー社では昔からガラスの天板を製品として販売していません。
つまりガラス天板に正規品は無いということです。
公式では無し。
いつごろからか、どこかの誰かが始めたアイデアなんですよ。
だからガラスの天板は”ネルソンベンチ用のものが存在するのではなく”単純にベンチのサイズにカットしたただのガラス”を使っているだけです。
私が独立開業前にインテリアショップに勤めていたときはガラスの天板を販売していました。
ベンチとセットで販売することも多々ありましたね。
ベンチの発注はハーマンミラー社で、ガラスは普通のガラス屋さんにカット依頼して一緒に納品していました。
だからガラスなんて販売する店でどこかに差がある訳でもありません。
ガラス屋さんにお願いするという意味では一緒です。
しかしガラスは梱包が大掛かりすぎて店側もお客さんもものすごい大変な事になっていました。
ガラスの配送は割れやすいので木枠で梱包をしていたんです。
木枠を分解するのも、処分するのも一苦労です。
※段ボールで梱包するガラス屋さんもあります。
ガラスは基本的に配達でしか出来ない商売だと実感しました。
おかげでトラブルも多かったです。
もちろん強化ガラスを使用するのですが強化ガラスだから割れないということはありません。
強化ガラスだと割れ方が安全ですけどね。
そんなハーマンミラー社の正規販売店となったいまの私はガラスを販売していません。
理由ですがネルソンベンチにはガラス天板を置かないほうがモダンで格好良いと思うからです。
ベンチはベンチのままテーブルで使うほうがモダンで味があります。
ガラス天板を置くとどことなく大衆的な感じが・・・
でも別にガラスを置く人を否定するとかじゃないのでそこは自由ですよ。誤解しないでください。
あくまで”私は”の話です。
モダニズムを目指す私なのでガラスを置かないのがハーマンミラーらしくミッドセンチュリーモダンらしいです。
たぶんガラスを置き始めたのはベンチにキズを付けたくないからという理由だと想像します。
でもそこはトレーを使うなどすれば解決しますし、むしろキズが付いて経年変化していくぐらいが格好良いです。
これも”私は”なんですけどね。
キズとか汚れとかあまり気にしない人なもので・・・人に価値観を押し付けることはありません。
お客さんに渡す製品とか納品するものはキズやヨゴレが無いようにものすごく気を使うのですが、自分が使う家具はあまり気にしません。
値段が高かろうが使うように使います。
そして私のお客さんたちも使い込んで経年変化していくのを楽しむ人たちが多いです。
ベンチのスリット(隙間)から物が落ちるのが嫌という話もあるのですが、何が落ちるのでしょうか?そこをトレーを使うのが普通なんですよ。
あ、私のお客さんで子供がこのベンチでお絵描きするという人が居ますので、そうした人は何かで保護した方が良いです。
だからケースバイケースです。
繰り返しになりますが私も否定したいわけではありませんので好きなようにしてください。
欲しい人はガラス屋さんにオーダーするのが良いです。
ベンチなのでベンチらしく座るように使っても素敵ですよ。
ダイニングテーブルにこうして合わせると見た目にも良いです。
考え方はそれぞれですので、自分が目指すスタイルに合わせて選択してください。
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