昨今、家具メーカーによる公式ミニチュア家具の発売が話題に上がります。
ガチャガチャやボックス販売によるもので非常に人気度が高いです。
本物の家具が手に入りづらい分、見た目だけでも楽しむコレクションとして受けるのでしょう。
そんなミニチュア家具と聞くと、『そういえば以前イームズとかコルビジェとかのミニチュア椅子シリーズが販売されていたなぁ』と思いだす人もわりといるのではないでしょうか。
これらですね。今も持っている人はいますよね?
これは「レアック・ジャパン株式会社」が2005年に発売を開始した「Design Interior Collection」というミニチュアデザイナー椅子シリーズです。
当時は中身が見えないBOX販売をしており、第1弾からいくつも続編が発売されていました。
小さい椅子が一個500円のボックスシリーズで、大きな椅子だと大きな専用ボックスで1,000~1,500円で販売されていた記憶があります。
私もまだ家具に興味を持ったぐらいの時にヴィレヴァンでいくつも買ったことがあります。
このミニチュア椅子シリーズは2011~12年ぐらいまで販売されていた気がしますが終了年は定かではありません。(在庫がある限りは販売され続けていましたので)
この当時、中身の見えないBOXでの販売は食玩ブームの影響もあり普通のことでした。
玩具メーカーに限らず各メーカーがいろいろなミニチュアやフィギュアを作ってこぞって販売をしていました。食玩専門誌があったぐらいの時代です。
椅子のことを知らない人でも気軽に手に入る面白いミニチュアとして好評だったみたいです。
それでこのミニチュア家具ですが、あくまで「レアック・ジャパン」が発売していたものですから各家具メーカーやデザイナーの許可はとっていません。
言い方は悪いかもしれませんが”勝手にミニチュアにして”発売していたわけです。
ただそこは「レアック・ジャパン」も認識があったようで、あくまで「デザイナーズコレクション」というだけで椅子の名前やデザイナー名は使用していません。
実際にBOXにも何もデザイナー名など特定される名前は使わないようにされていました。
「レアック・ジャパン」もデザイナー名などは商標や権利に引っかかると理解していたので、わざと入れないようにして”何かのデザインされた椅子”ぐらいの表現に留めていたようです。
椅子のデザイン自体を真似してミニチュアにするのは・・・判例が無いですし法律的には答えが無いです。
しかし当時はこのミニチュア椅子シリーズは世間的には公式の存在みたいな扱いをされていもいましたから、背景を知らずにコレクションしていた人の方が多いでしょうね。
それから今では各メーカーやデザイナーが公式でミニチュアを発売することになったわけですから時代は変わるものですね。
公式がミニチュアを発売する時代ですから、今では勝手にミニチュアの家具を作って売る行為は難しいでしょう。
ちなみにもともとミニチュア家具を作って売ることをしていたのがvtra design museum(ヴィトラデザインミュージアム)です。
1/6サイズのハンドメイドミニチュア家具を結構良い値段で販売しています。
そんな「レアック・ジャパン」は2016年に破産しています。
雑貨中心に企画をして販売していた会社でしたが、東京商工リサーチによると「チャイナリスク関連の倒産としてコスト高によるもの」といったことだそうです。
他にもミニチュアボビーワゴンみたいな商品とかミニチュアウーテンシロみたいな商品もありました。
実は私は独立前のむかーし、レアック・ジャパンと取引先の店舗で働いていたことがありますのでそんな記憶があります。
ちょっとここで扱うには微妙な話題でしたが知りたい人も多そうなので書いてみました。
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