– SUVA –
デザイナー:ENZO MARI (エンツォ・マーリ)
名作ペーパートレーと言えばエンツォ・マーリがデザインをした「SUMATRA(スマトラ)」です。
1967年よりイタリアのDANESE(ダネーゼ)から製造販売されています。
そんなマーリは1987年に「SUVA(スヴァ)」というペーパートレーをデザインしています。
スマトラとスヴァ、双子のようにそっくりなデザインです。
マーリによるもう一つのペーパートレー「SUVA」
スヴァはスマトラと全く同じデザインながら素材や加工を変えたペーパートレーです。
対価性テクノポリマーの本体に、表面には細かくスリットを入れて凹凸があります。
表面がツヤツヤしたスマトラに比べてスヴァはマットな印象です。
マーリは同年にCHIO(チオ)というダストボックスをデザインしておりスヴァと同じ素材&加工で作られています。一連のシリーズとして作られました。
しかしスヴァとスマトラという似たデザインがダネーゼにラインナップされることになったため、スヴァは製造終了を迎えます。
スヴァが劣っていると言わけではなくスマトラが長年の地位を得ていることと、スヴァとスマトラはサイズが違うためお互いを共有できません。
すでにスマトラを持っているユーザーの追加需要はありませんし、スヴァで揃えた場合はスマトラの追加が出来ない状況があったためだと思われます。
スヴァ自体は良いものではありましたがこうして市場から消えました。
それから2021年、ダネーゼ本社の倉庫を整理した際に既に廃版になっている商品がいくつか発見されました。
新品のまま保管されていたヴィンテージストック品の中にこのスヴァもありました、それもかなりの数です。
そこで数量限定で販売がされることになりました。
スマトラと比べると随分と安いですが、スヴァの販売価格は日本での最終上代(定価)をそのまま付けているからです。
最後に販売していた価格のまま据え置きで販売しているため値上げがないことで安く感じます。
あまり目立たないマーリの名作プロダクトです。
おそらくマーリはスマトラの改善点としてスヴァをデザインしたのだと想像しますが、どうしてスマトラのあとにほぼ同じデザインのスヴァを手掛けたのかは不明です。
今後は新品で数を揃えるのが難しくなるため、マーリファンのみならずプロダクトに興味がある人は今のうちに揃えるのが良いです。
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