久々にリプロダクト家具/ジェネリック家具についての話題を書きますね。
そのこと自体の説明は以前、随分書きましたので過去の記事を参考にしてください。
それで今回の話題は、
「正規品と見分けがつかないリプロダクトがある」
「むしろリプロダクトの方が正規品よりクオリティが高い」
といったことが本当かです。
あくまで私だけが詳しいミッドセンチュリージャンルだけの話としますが、正規品と見分けがつかないリプロダクト(コピーのほう)は見たことがないです。そんなものは存在しないのでは?
見れば違いますのでわからないなんてことは無いです。もう全然違いますから見分けがつかないなんてことは考えづらいです。
現物を見なくても写真でだいたい判断ができるぐらいですよ。
これが私は詳しい人だから見分けがつくだけで、そこまで知識がない人だったら正規品と見分けがつかないのでは?というのはその通りだと思います。
正規品を知っていないとそもそもリプロダクトが何かも分かりません。
逆に過去のヴィンテージ品の中にはコピーっぽい家具も存在したりします。正規品なのにコピーと間違ってしまうかもしれません。
「メーカーの人でも見分けがつかないリプロダクトがある」というのは・・・これは・・・ないこともないのでは・・・?
というのも、メーカーの人=自社の製品に詳しいとは限りません。
一口にメーカーの人と言っても色々な部署がありますから、JRの社員が全員電車に詳しいかといったらそうではないです。それと同じですよね。運転手じゃないと運転のことについてはわからないです。
次はこれ、「リプロダクトでも製品によっては本物より良い素材を使って作られていてクオリティが高い。」です。
まず、本物より良いもの(素材)を使っているということ自体そもそも意味をなさないことです。
ヴィ○ンの本物の鞄よりもっと良い素材と縫製でスーパーコピーを作りました!なんて謳ってもコピーはコピーじゃないですか。本物の価値は超えられません。
それで「実際に正規品を超えたクオリティのリプロダクトがあるのか?」ですが、私は見たことはありません。これもそんなの存在するんでしょうかね?
もちろん世の中全てのリプロダクトを私が見たことがないのですが、先述の通り写真だけでもだいたいわかります。
リプロの類の販売情報ページはほとんど見たのですが、とてもクオリティが高いとは感じられません。
現物を見るともっとチープですしね。
それに、デザインをコピーするだけではなく、アフターフォローや保証までやってこその家具です。
やるなら見た目だけ真似して売りっぱなしではなく、しっかり後のことまで対応できるかまでコピーしてこそです。
正規品は製造から販売、アフターフォローまで考えられたうえで製品として販売しています。
そもそもリプロダクトの類は、デザインを模倣して楽に儲けたいだけなのに、なんでクオリティを追求するのでしょうか。
良いものを作りたいなんて信念があるのならコピーなんて最初からしません。もしくは自分で権利を取りに行くでしょうしね。
例えばヴィトラはライセンスを得て50年代からイームズシェルチェアを作っていますが、オリジナルメーカーではないのでリプロダクトという意味ではこちらが正しいです。
コピーではなくちゃんと権利を得て製造するという選択肢もあるんです。
もし本当に正規品と見分けがつかないレベルのリプロダクト家具があるならそれは相当すごいことです。
というかそれが出来るのなら自前のオリジナル家具ブランドを立ち上げたほうが良いです。
わざわざ後ろ暗い商売なんてせずに、真っ当にやってもうまくいくでしょうしね。
ということで、「正規品と見分けがつかないリプロダクトがある」「むしろリプロダクトの方が正規品よりクオリティが高い」については、私が知る限りは無いです。
もし本当にあるなら誰か教えてもらいたいぐらいです。
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