– Eames Chaise –
デザイナー:Charles & Ray Eames
影が薄いですけどチャールズ&レイ・イームズ夫妻の製品の中で上写真の「イームズチェイス」という寝椅子(シェーズ)があります。
寝椅子なんですけど横幅が45cmしかありません。
細い。狭い。
なぜこんなに狭いデザインにしたのかは理由があります。
イームズチェイスが生まれた理由とデザインの意味
イームズチェイスはイームズ夫妻の友人である映画監督ビリー・ワイルダーのためにデザインをしたものです。
ハーマンミラー社販売は1968年からです。
イームズチェイスが長細いのには意味があって、横たわった人が完全に眠りこけないようにと設計されたゆえです。
というのも、この細さの寝椅子で仰向けになると自然と両腕をお腹や胸の上に持ってくることになります。
そのままの姿勢で眠りに入ると、完全に熟睡した時に腕が下に落ちるので目が覚めるという仕掛けです。
イームズ夫妻から”君は映画監督だし忙しいから寝過ごすなよ”というメッセージでしょうか。
でもビルー・ワイルダー本人には歓迎されなかったらしいです。
余計なお世話ってことでしょうか。
・・・というのが今まで存在したストーリーでした。
でも最近ハーマンミラーでのストーリーがアップデートされていました。
下記のような説明になっています。
1955年、映画のロケ撮影中だったビリー・ワイルダー監督は、木挽き台に支えられた細長い厚板の上に横たわり、そこで熟睡せず短時間だけ仮眠が取れることを発見しました。
この発見がきっかけとなり、ワイルダーは友人であるチャールズ&レイ・イームズに、幅の狭いオフィス用の長椅子が必要だと提案。
イームズ夫妻はこの話を忘れず、1968年にイームズチェイスを発表。 最初の製品をワイルダー監督に贈りました。
以来、このイームズチェイスは、ハーマンミラーによって製造が続けられています。
じゃあ今までの説は間違っていたってことでしょうか?
昔の資料にはそう書いてあるんですけどね・・・
いずれにせよ、現在のハーマンミラーの説明が公式の物ですから、そっちが今後語られるストーリーになります。
と思う反面、もともとあったストーリーは・・・なんか・・・ネガティブじゃないですか。
それがチェイスの販促としては不利に働くので、現在の内容にしたのかなって思ったり思わなかったり。
当人たちがすでに存在しないので確認する方法がありません。
ハーマンミラーにはイームズオフィスが付いていますから、それはそれは正しい情報のはずです。
ところでこのチェイス、現代の昼寝事情には良いかもしれません。
昼食後に昼寝をすることが脳を活性化させるっていいますから、ランチタイム後の昼寝タイムで需要がありますね。
そしたら午後の仕事もばっちり頭が覚醒した状態でバリバリやれます。
問題はこれを職場に置けるかどうか、そして昼寝の時間があるかどうかですね。
社長が会社にこれを置いてくれたらいいですね。
社員皆さんで薦めてみましょう。
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