以前の記事で「3本脚の椅子が作られた理由と4本脚の椅子とではどちらが安定する?」という内容を書きました。
簡潔に内容を書くと”椅子の脚は3本の方が安定するけど転倒リスクがあるので4本脚の椅子が普及している”という話です。
『じゃあ脚の数が多ければ多いほど倒れないから良いのではないか?』という疑問があるかもしれません。
今回は「椅子の脚は多いほうが良いのか?」について書きます。
椅子の脚が多くなるデメリットとは
そもそも脚の数が5本以上の椅子があるかというと・・・普通にあります。
8本脚や10本脚もありますので脚が複数ある椅子自体は存在しますが、量産品というより一点ものや少数だけ量産された椅子がほとんどです。
一般普及する椅子で5本以上の脚をもつ椅子は少ないです。
なぜかというと椅子の脚が多いほど不利になる理由があるからです。
脚の本数が多いほど安定しない椅子となるから
確かに脚の本数が多ければ耐荷重も増え転倒の可能性は限りなく低くなります。
その代わり全ての脚先の長さを均一にしなければ椅子がガタつきます。
これは3本脚の記事でも書きましたが、椅子の脚は4本以上となると3次元となり立体が作られてしまいます。
3本脚の椅子は脚先の頂点を三角で結ぶと必ず平面となります。
4本脚の椅子は脚先の頂点を四角で結ぶと脚先の長さが異なる場合に平面ではなく立体が作らることになります。これが床に置いたときのガタつきの原因となります。
この椅子の脚が5本になるとさらに立体を構成する点が増えることとなり、脚が増えれば増えるほどすべての脚先の長さを均一に調整することが出来ずに椅子がガタつきやすくなってしまいます。
以上のことから椅子の脚は多ければ多いほど安定しない構造となります。
そのため脚の本数が多い椅子はあまり作られません。
脚の本数が多いほど重量が増えるから
椅子の脚が増えれば増えるほどそれだけ椅子自体の重量が増えることになります。
椅子が重くなると輸送費や運搬費が上がる場合がありますし、何より日常生活で重い椅子は取り回しが悪く使いづらいです。
非力な人の場合は椅子を後ろに動かすことすらも難儀してしまいます。
そのため脚の本数が多い椅子はあまり作られません。
脚が多いほど製造コストが上がるから
椅子の脚が多いほどそれだけ材料を使い製造コストも上がります。
特に木製の椅子は価格の上昇が顕著です。
さらに増えた脚を固定するためのネジや構造部が多いほど検品やメンテナンスをする個所も増えます。
そのため脚の本数が多い椅子はあまり作られません。
こういった理由で椅子の脚は4本に落ち着いているわけです。
4本脚がぎりぎり安定する本数なので採用されているということですね。
ちなみに1本脚のデザインも脚を重くして頑丈にするため椅子自体の重量が重くなります。
ということで椅子の脚の本数についてでした。
椅子とは別のキャビネットやベンチ類になってくると脚の数が6本以上になることは普通ですのであくまで椅子というジャンルについてということで。
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