本当の名作家具とはどんなものでしょうか

名作家具とは

なんとなくつけたこのサイト名にもある「名作家具」という言葉ですが、そもそも何をもって「名作なのか」というと定義がある訳ではありません。

名作は何も古いデザインや歴史があるものだけを指す言葉ではありません。

「名作」とは「優れた作品」という意味です。

現代のデザインでも優れていたら名作家具です。

そしたら今度は「何が優れているのか?」ですよね。

今回はそんな話を書いてみます。

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名作家具とは優れた家具のこと

名作椅子3

名作椅子も含めて名作家具という呼び方ですが、先述の通り優れている作品のことを指します。

でもこの家具業界的には古いデザインだったり、著名デザイナーだったり、歴史があったりする場合に「名作家具」とカテゴライズしていると思います。

別にそれ自体を否定するつもりはありませんが、デザインストーリーや見た目といった上っ面だけ見て、そこだけ語って名作だとかどうだとか言っても私はピンときません。

というのも、家具ですから芸術ではないです。家具は道具です。

だから実際に人が使ってこそ価値が発揮されるものだと考えます。

”じゃあ椅子だったら座ったり使ったりして家具の価値がわかるよね”ということでもあります。

そうなんですよね、実際に自分で所有して使ってこそです。

ただこれだと何が優れているかが不十分です。(座り心地が最高に良いでも充分優れていますけど。)

優れた製品というのは、素材選びから製造方法から梱包から物流から組み立てから販売まで全部考えられた製品でしょう。

そこまでトータルに考えられていて優れている家具だと私は考えます。

名作椅子1

どれだけ格好良い家具をデザインしても、それを作り上げて実際に販売して誰かに使ってもらうことが出来ないのなら家具の役割を果たしません。

それに、実際に製造したり販売したりすることを考えなければ、理想だけ追求した斬新なデザインを作り上げることは容易に出来ます。

しかし、デザイナーの理想だけを押し付けるデザインは私はアートだと思います。家具ではなく製品でもなく芸術です。

ユーザーや環境が求めるものに、問題を解決しつつ理想も取り入れるのがデザインです。それがデザイナーの力の見せ所です。

さらに家具を製品として販売する以上、誰かが販売をしないといけません。

お店に展示したり、販売したり、配送をしたり、配達したり、組み立てをしたり修理をしたりする現場の人間にとっても考えられたデザインが素晴らしいです。

私は家具が好きで家具の販売をしていますが、こうして現場にいると本当の家具の優れた部分がわかることがあります。

顧客の望む物件に向けてセールスが出来るか、提案がしやすいかが肝心になりますし、自分で家具を配達したり組み立てたりするこで、その家具が流通まで考えられていることがわかります。アフターフォローや修理なども考えられているかどうかも現場にいるとわかります。

その家具がどこまで考えられているかというのが実感できるわけです。

様々な制約の中で実際に販売できるように家具をデザインして作り上げられているわけです。

せっかくそこまで考えられているんですからユーザーに伝えないのは良くないです。

そして、そこまで考えられてこその名作家具です。

例えば私が素晴らしいデザインだと感じるのはブルーノ・ムナーリのプロダクトです。

デザイン、素材選び、製造方法、コスト、何に置いても完璧です。ユーザーだけでなく、それを販売する者や工場にとっても誰にとっても良いようにデザインされています。

フォークランドの照明がわかりやすい彼のデザイン力のすごさです。(家具か・・・?)

ブルーノ・ムナーリの名作照明フォークランド
名作照明フォークランドはムナーリの代表作でもあります。 デザインだけでなく収納や梱包まで考え、さらに照明としても美しいプロダクトとして完成されています。

こうしたことから以前書いた「一番好きな椅子はなんでしょうか?」という時にイームズプライウッドチェアを出しているんです。

一番好きな椅子はなんでしょうか?
歴史を見れば数多くの名作椅子と呼ばれるデザインが誕生しました。 あなたが一番好きな椅子は何かと言われたどれを選びますか?

プライウッドチェアは座り心地も良く素材を最小限に抑えて耐久性も発揮しており、製造も難しくなく、工場で脚部をスタッキングして保管できることでスペースもとりません。それでいてデザインもスマートで、バリエーションも豊富で、かつ部品が分けられることで修理もしやすいです。そのうえで現在までハーマンミラー社がずーっと製造を続けていて量産もして売り上げもちゃんとある。

これが名作家具ですね。

名作椅子2

やっぱり私は家具が好きなので、そういったわかりづらい部分まで全部知りたいんです。

デザインストーリーや情報はどこかの本に載っているのを読んだりすれば良いのですが、真の家具デザインは完成形を見るだけではありません。それを体感するためには現場にいないといけません。

それを知らずに家具を語るなんて音楽を語るのにyoutubeしか聞いていませんみたいなものです。すぐ手に入る情報だけで知った気になっているんです。見たとか触ったとか資料を読んだとか誰でも出来ますから。珍しいデザインのことを語っていたらなんだかその人がすごく見えるかもしれませんが、ただたんに珍しい家具の情報をどこかで見ただけの話ですから大したこと無いですよ。実際本人だってよく知らないわけですし。

自分で組み立てたり修理したりしてその家具の優秀さに気づくことがあります。金具一つから理解するのが楽しいです。販売することをどうデザイナーが考えているのかわかってこそです。

わたしもまだまだ出来ていませんので偉そうなことは言えませんけど。

だから私はまだまだ甘くて、その家具を自分で製造からして、自分で配送して、自分で納品まで全部してこそ本当のデザインの価値が判断できるのでしょう。

こんなことできる人は存在しないでしょうけどね。自分でデザインして自分で作っている家具なら出来ますけど。

だから工場を見学するぐらいまでです。やれるなら製造からやりたいです。

ハッキリ言ってどれだけ格好良い家具でも、売ることが色々な意味で難しい家具は販売をしません。それが名作家具かというと製品である以上はそう思いません。

売れなくても製法が優れたいたり何か秀でた部分や感心する部分があってこそ名作です。

家具を語る以上は最も深い部分まで知識を持っている必要があります。写真や実物だけ見たり本だけ読んで知った気になっても家具のデザインのことはわかりづらいです。何が優れているかを説明できません。

この家具は有名な人がデザインしたとか、貴重な一点ものだとか、珍しい家具だとかそういった情報だけに価値を感じるのではなく、量産されているどこにでもある家具でも、それがどれだけ家具に関わる全体にまで練り込まれているかをわかってもらえるようになると良いです。

そしてそれを伝えるのが私の仕事でもありたいです。

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