日本最初のプラスチック一体成型の椅子「エレファントスツール」の歴史

スタッキングスツール

– Elephant Stool –

デザイナー:柳 宗理 (Sori Yanagi)

世界的に評価が高いインダストリアルデザイナーである柳 宗理 氏が1954年にデザインをしたこのスツールは日本で最初のプラスチック一体成型の椅子です。

アーチ状の構造が美しいだけでなく、構造的にも優れたまさに象の足のような耐久性を誇る椅子です。

民芸の精神で様式をつくる「柳 宗理」の紹介
20世紀の日本のインダストリアルデザイナーの一人であり、戦後のデザインの発展に大きく貢献した人物である柳 宗理の実績をお伝えします。 民芸を伝える重要人物でもあります。 彼の代表作バタフライスツールはニューヨーク近代美術館にて永久収蔵品にも選定されています。

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最初のプラスチック一体成型スツール

エレファントスツール

この椅子が作られたのにはイームズ夫妻の影響もあります。

日本で最初に上陸したイームズシェルチェアを元に株式会社寿商店(現:コトブキ)にて、シェルチェアと同じGFRP(ガラス繊維入り強化プラスチック)素材を使った椅子の開発が始まります。

日本のFRPイスの歴史
駅のプラスチック製ベンチを見て、イームズのシェルチェアだ!と思うのは逆です。 イームズのシェルチェアがあったからこそ生まれたのです。 日本のFRPイスの歴史を書きますね。

そこで柳 氏が早々に作り上げたのがこのスツールです。

当初の名前はそのまま「スタッキングスツール」です。

素材はポリエステル樹脂ベースのFRPです。

これが日本で最初のプラスチック一体成型で作られた椅子となっています。

1960年のミラノトリエンナーレに出展されたり、大阪万博で使用されたりと活躍は多岐にわたりました。

しかし年数は不明ですがいつ頃か製造が終了します。

habita

その後の2000年頃にイギリスのハビタ(habita)社にてトム・ディクソンのプロデュースにより復刻をします。

この話は1998年ごろまで遡り、その頃ハビタ社が”リビングレジェンドプロジェクト”を展開しており、その一環としてトムが柳 氏に直接オファーをすることで始まりました。

オリジナルを踏襲してFRP素材で復刻製造をしていたことで、柳オリジナルデザインのスツールの良さをそのまま受け継いでいます。ハビタ社での製品名は「yanagi stool」でした。

2004年に製造が終了して廃盤となりました。

二つのスツール

そして次にライセンスを得て復刻したのがドイツのヴィトラ(Vitra)社です。確か2004~5年頃です。

こちらでは素材をポリプロピレンに変更して復刻製造をしました。

ここでエレファントスツールと名付けられたんですよね。

ポリプロピレンにした理由はリサイクル可能な素材という点を考慮したものだと推察されます。(それとハビタ社でのトラブルを見てのことでしょう)

それに、同社はイームズシェルチェアやパントンチェアといった他のデザインの復刻の素材にも同じくポリプロピレンを使っており、この時期はプラスチックでの復刻=ポリプロピレンでした。

カジュアルにどこでも使える万能なスツールとして現在も販売が続けられています。

つまり、現在の新品正規品はヴィトラ社ということです。

個人的な話として書くのですが、エレファントスツールという名称が一般的になったおかげでどうしても象の足に見えるのですが、先入観なくデザインを見ると3本のアーチが伸びた建築物のような佇まいがあって格好良い構造です。だからあまり象という感じはしません。

そう言いながら最初に”まるで象の足のよう”とか書いちゃっていますけどね。この辺はわかりやすくです。

寿製のスツールはもしかしたらその辺にころがっていたりするかもしれませんね。

田舎とか実家とか、ちょっと物置とか見てみたら見つかるかもしれませんよ。

名作椅子ですが、最も手軽な価格で買える家具の一つです。

水にぬれても良いので外でも使えますし、座るだけでなくサイドテーブルとしてもディスプレイ台としても踏み台としてOKという便利さも良いですね。

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