チャールズ・イームズにこんなエピソードがあります。
感心する話です。
一瞬のために長い時間をかけている
チャールズ・イームズといえばレイ・イームズとともにプライウッドチェアやシェルチェアといったヒットデザインを世に送り出し後の名作を数多く残した伝説的デザイナーです。
そんなチャールズがプライウッドチェアを発売した時に記者が取材でこう尋ねました。
「デザインはひらめきですか?」
するとチャールズはこう答えました。
「そうです、30年かかったひらめきです」
そうなんですよね。ものすごい同意して感心します。
ひらめきは一瞬なので簡単そうに思えるのかもしれませんが、それまでに長い長い経験や苦労があってやっとひらめくわけなんですよ。
まさに30年のひらめきです。
この話ですが、私が以前から完全同意するストーリーと似た考えがイームズにもあったので良かったです。
それがこんなストーリーです。
あるところに車のカギを内部に残したままドアをロックしてしまった人がいました。(インキーのことです)
困ったその人はドアのロック解除を鍵開け職人にお願いするために呼び出しました。
すぐに来た職人は5分でロックを解除しました。職人は既定の鍵開け代金を要求しますが、その人は「5分しか作業していないのに代金が高い」とごねます。
そこで職人は言いました。「確かに私は五分で開けましたが、それは私が10年間試行錯誤をして熟練した腕前を持っていたから短時間で開錠が出来たんです。つまり、今回の作業時間は10年と5分です。」
仰る通りです。むしろ短時間で作業することを評価しないといけないぐらいです。
それに、実際にはその場所まで来ている時間と交通費がかかっていますから。
なんでもそうですが、それまでの過程があるから辿り着いた境地というものがあります。
その人にとって簡単にすぐできることがあっても、それはその人の経験、知識、情報、考え、技術、なにもかもそのすべてあったからこそ出来ることです。
そこを評価しないのは良くないですね。
何が良くないかというと、それを評価しないということは、自分も評価されなくても構わないということです。
技術だけじゃなく、情報も重要なものです。
なんでも情報はタダだと思うのも、教えてもらったりするのは無料だと考えるのは相手の事情を汲んでいないです。
それがその人の仕事に関わることだったらなおさらです。
私もタダ働きさせられることがあるのですが、もっと相手の存在そのものを評価した行動ができるようになると良いですよね。私も気を付けます。
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