本革を使用した家具は使い込むごとに味が出てきます。
しかし、革をメンテナンスしずに放置したり、環境や使い方が悪いと革がダメになることがあります。
革の家具を使用する上で気をつける点とアドバイスをお伝えします。
まず、革で気を付ければならないのは”湿度”です。
一般的にカビが生えるのは湿度70~75%以上なので、それ未満の湿度を保ちましょう。湿度が高く湿気が多いと細菌が繁殖しやすくなります。
その逆に、湿度が40%未満だと革が収縮することで、表面がヒビ割れやすくなります。
特に梅雨時の湿度と、冬場の乾燥に注意が必要です。(当然普段も)
革に直射日光も良くないです。急速に劣化が進みます。
ですが、直射日光を推奨する革も存在するので一概には言えません。そこは製品ごとに確認が必要ですが、直射日光を推奨する革を通常家具には使用しません。
そもそも直射日光は革だけでなく、中材に使用しているウレタンや接着剤や塗装にも影響があるのでよろしくないです。
革のメンテナンスには必ず革製品専用のクリームを使用してください。
靴のクリームと共有するときは光沢が出ないタイプがよろしいかと思います。
革のクリームでのメンテンスの頻度ですが、頻繁にはやらなくて良いです。説明書を見ながら正しく使い、半年から一年に一度ぐらいでも充分です。
あとは基本的に”自分が使う”ということが大切です。
座って触って使い込むことでも革には良い影響を与えます。手で触るだけでも油分を吸収するのでメンテナンスいらず。
けれども、手で触らない部分がありますので、そうしたところのためにも全体的にクリームでメンテナンスをするのがベストです。
放置した革は劣化することで変色したり、ヒビ割れたりしてしまうのですが、この経年劣化はよっぽどすごいボロボロな状態になられなければ、それはそれで格好良いかなと思います。
この場所はいつぞやのマリーゴールドロッジ(ハーマンミラーのゲストハウス)ですが、イームズソフトパッドグループチェアがの革がヒビ割れと退色でかなりボロボロになっています。
これの劣化した革の状態がまた良いんですよね。歴史を感じます。
数十年間(たしか40年以上)この場所で使われているみたいですし、ここまでボロボロになったら張り替えてしまうほうが違和感あるかもしれません。
もしくはですが、メンテナンスしていたから数十年経ってもこの程度の劣化で住んでいるのかもしれませんね。手入れはそりゃあしているでしょうから。
これだけ長いあいだ使用された椅子でもフレームはしっかりしているので普通に座ることが出来ます。さすがのハーマンミラークオリティです。
革のメンテナンスをしてれば、より長く家具を愛して使っていくことができるでしょう。
20代に革を使用した質の良い家具を買ったとして、それが30年後のヴィンテージ品になった時には自身は50代になっています。
自分とともに生きてきた家具ですから愛着も一塩です。自分に皺が増えるように家具も年を取り皺が増えます。ロマン。
家具自体が壊れなければですけどね。
壊れたらそこは修理が必要です。自身だって歳はとっても壊れた部分は治します。家具も直しながら使っていけば良いです。
日本の環境は家具を使うには向いていない説があります。
日本は年間を通して寒暖の差が激しく湿度も高い。普通に使用するには家具が劣化しやすい場所です。
そこは文明の利器で補いましょう。エアコンや加湿器とかですね。
革の家具には湿度計があるとなお便利です。参考にしてください。
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