よくある海外インテリアとして紹介される部屋を見ると一つ気づくことがあります。
それは部屋の暗さです。
室内はフロアライトとテーブルライトだけで構成されており、夜にはそれのみの明かりで生活している状態で、それをお洒落だと紹介されています。
でも実際に日本で日本人が同じことをすると暗いじゃないですか?
しかしそれをインテリアのお手本だと紹介されがちですが、ここではっきり断言します。
それは違います。
何せ人種と環境が違います。
例えば、よくある海外インテリアとして北欧の生活が紹介されます。
北欧がなぜ照明文化が強いかというと、それは日照時間の短さにあるからです。
気温も低く太陽が昇る時間が短いため、それを補うために室内の照明文化が発達したわけです。
事実、例えば真逆の気候であるアメリカ西海岸は照明文化が弱いです。
日照時間が長く気候も暖かいため照明で補うという生活様式ではなかったからです。
イームズだって照明のデザインはほぼしていません。(実は一つだけありますけど)
じゃあもっと北欧も煌々と室内を照らせばよいじゃないと思われそうですが、明るすぎる部屋は落ち着きません。
ちょうど良いバランスが必要な訳ですが、それにしては暗いです。
先日紹介したフィン・ユール邸もものすごく暗いです。ぼやーと明かりがある程度です。
それが暗すぎて問題にならないのかというと重要なポイントに暖炉と人種があります。
まず暖炉がある前提ですからその炎で明るくなります。
そして人種です。
デンマーク人は目の色素が薄く少ない明かりでも明るく見えてもそれで充分でした。
まあ人種の特徴をあげると何故か怒られるめんどくさい世の中なので1930年代ということにしておきます。(これでも文句を言う人がいるのでしょうが・・・)
これは現代の海外インテリアでも同じで、人種が違うと目の色も異なるため明かりの感じ方が違います。
基本的に日本人のダークブラウンの目は暗さを認識しづらく、青い目は暗さが認識しやすいです。
海外のコンテンツを見るとこの違いはよくあります。
映画でもゲームでも特定の国の映像は日本人にとっては暗く見えます。経験ありますよね?
昨今はステレオタイプな人種の事を言うと批判を浴びてしまうのですが、こうした違いがあるゆえに日本でそのままインテリアを真似しても不便な生活となってしまいます。
以上の事から考えると、ポール・ヘニングセンの提唱するダイニングライトの高さはテーブルから6-70cm理論は少なくともここ日本では当てはまらないのではないと以前から私は疑問に思っています。
あくまで当時の環境、人種、照明クオリティがあってのことですから。
それでもこれがインテリアコーディネーター試験の回答にもなっているので当たり前として認識されてしまっているのですが、どうもこの家具業界は権威主義な部分が強く反論意見は聞いたことがありません。
つまり何が伝えたいかと言うと、家具もインテリアも地域や歴史的なことで生まれるものなので、物事には何にでも理由があります。
その理由を考慮せず、海外のインテリアは素晴らしい!照明も真似するべき!と日本に落とし込むのは正しいことかは疑問です。
だいたい海外なんて表現が広すぎて曖昧ですからね。
結局はそんなことは置いておいて、自分が求めることをするのが最良だと思います。
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