– Eames Plywood Sculpture –
デザイナー:Charles & Ray Eames (チャールズ & レイ・イームズ)
イームズプライウッドスカルプチャーとは1943年にチャールズ&レイ・イームズ夫妻が成形合板(プライウッド)の技術力を生かして作り上げられたアート作品です。
のちのイームズデザインのもととなる技術を詰め込んだパイオニアのような存在です。
ミッドセンチュリー期のプライウッドを使ったスカルプチャー
イームズ夫妻は第二次世界大戦中に成形合板でレッグスプリント(添木)の制作に勤しんでいる傍らで合板制作の研究をしていました。
彼らは戦後のことを見据え家具のデザインを始めるべく、様々な試作品を作る中でこのスカルプチャー(彫刻)も作り上げました。
このスカルプチャーはイームズ夫妻による工夫と技術により作られたもので、当時としては相当な技術力でした。
成形合板でのこのカーブはそのままその後の椅子やテーブルデザインに転用されています。
このスカルプチャーこそ彼らのターニングポイントともいえるデザインです。
実は1940年に別の形のスカルプチャーも作り上げていました。
こちらのほうが複雑な構造です。
このスカルプチャーはレイ・イームズのデザインだと思われます。
理由は画家であるレイのアート作品に似たデザインの絵画があるだけでなく、レイは彫刻家でもあったため彼女のユニークな思想が詰め込まれています。
冒頭の写真に写っているプライウッドスカルプチャーは復刻されたものです。
伊勢丹新宿で開催されたイームズオフィス80周年展で展示されていたものです。
>>【現地リポート映像あり】イームズオフィス設立80周年記念「Eames Office: 80 Years of Design」に行ってきました
この復刻したプライウッドスカルプチャーはイームズオフィスが一年をかけて制作したものです。
当時のスケッチを発掘し、オリジナルのスカルプチャーを3Dスキャンしてアルミの型を作り忠実に再現しています。
12個限定で生産されたそうで販売されているものです。
値段を書いて良いのかわからないのでここでは書きませんが、その辺で見かける車より高額です。
私は値段によっては買おうかなと思っていたので、衝撃の値段を知ったときは身の程知らずの自分を恥じました。
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