– Girard Color Wheel Ottoman –
デザイナー:Alexander Girard (アレキサンダー・ジラード)
ハーマンミラー社のテキスタイル部門のディレクターとしてミッドセンチュリー期に活躍したアレキサンダー・ジラードがブラニフ航空の為にデザインをした家具シリーズの一つがこのオットマンです。
彼の色彩感覚がそのまま椅子になったようなファッショナブルなデザインです。
ブラニフから生まれたジラードの丸いオットマン
(書籍herman miller INTERIOR VIEWS P.78)
このオットマンは伝説のエアライン「ブラニフ航空」のラウンジのためにデザインされた家具の一つです。
人々が集い会話しくつろげるような椅子として考えられたのがこの丸いフォルムです。
どこからでもも人が座ることができるため、囲んで座りながら会話をすることもできますし、背を向けてそれぞれが座り独立したベンチとしても使えます。
多様性のある使い方が出来るのがこのオットマンの売りです。
そこにジラードの完成を大きく張地で表現をしています。
彼のカラーセンスをそのまま空間に置いたようなアート感もある家具です。
その後1967年にハーマンミラー社にてジラード・グループ・ファニチャー(Girard Group Furniture)シリーズの一つとしてて発売されました。
諸々の事情でわずか2年で製造販売が終了したために、ヴィンテージ市場ではレアな逸品となっています。
このシリーズの特徴として共通した脚を使っていることです。
曲線で一体成型されたメタルの脚は主張が少ないながらも、まさに足元からシリーズの良さを支えています。
このオットマンの魅力はふんだんに使った座面ファブリック部分です。
中央から放射状に生地を貼り合わせることで、実に奇抜で人を惹きつけるデザインとなっています。
丸いフォルムだからこその生地の貼り方ですね。
ジラード自身のテキスタイルをユニークに変えている家具です。
2015年にはハーマンミラー社による正規復刻生産され現在も製造販売されています。
おもに商業空間やオフィスのコラボレーションスペースや応接空間で好まれて使われています。
このまま、またどこかの航空会社のラウンジで使われたら面白いですけどね。
個人的にはホテルのエントランスやラウンジといった、人がリラックスして集う場所にあると活きる家具だと思います。
ミッドセンチュリー期の名作椅子でもありますね。オットマンですけど。
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