– Heart Cone Chair –
デザイナー:Verner Panton (ヴァーナー・パントン)
ハートのようなフォルムを持つこの椅子はデンマークの巨匠ヴァーナー・パントンによって1958年にデザインをされました。
遠くから見るとまるでハートが浮かんでいるようなデザインは挑戦的でセンスが溢れています。
北欧の名作椅子の一つです。
ハートがモチーフなのにエレガントな存在感
(書籍VERNER PANTON The collected works)
ハートコーンチェアは「コーンチェア(上写真)」をもとに作られています。
1958年にデザインされたアイスのコーンのようなデザインの「コーンチェア」の、背もたれを二枚にして伸ばしたフォルムが「ハートコーンチェア」です。
これによりまさにハート型が出来上がることとなり、一瞬でその独自性を伝えられる椅子となっています。
(書籍VERNER PANTON The collected works)
ハートコーンチェアにはあまり有名じゃないかもしれませんんがこんな逸話があります。
この椅子をニューヨークの五番街でショーウィンドーをしていたところ、道行く多くの人が立ち止まって眺めてしまい交通渋滞が起きてしまいました。
その混雑ぶりに警察はハートコーンチェアの撤去を命じたほどだそうです。
今でもファッショナブルで人の目を惹くデザインですが、発表当時は目の肥えたニューヨーカーにとってもセンセーショナルな椅子だったのでしょう。
スチールの脚にウレタンフォームを伸縮性のあるファブリックで張りぐるみにして作られていることでクッション性もあり柔らかさも感じます。
遠くから見るとスチールの脚は消えて見えることで、まるでハートが浮かんでいるような光景にも見えます。その様がエレガントな空間の演出に一役買ってくれる椅子です。
(1960.Artoria hotel)
ホテルや商業空間で当時は並べられて使われました。
空間を作る椅子としてはあまりにも特徴的なために、その主張の強さが演出として優れた効果を発揮します。
座り心地はなかなかに良いです。
お尻の柔らかさがちょうど良く、背もたれも中央部が窪んでいることで後ろに身体を回しやすいです。
なによりデザインが魅力の名作椅子ですね。不思議とハートモチーフなのに可愛さは感じません。
現在はヴィトラ社が正規品の製造をしています。
あと、実はトップに使ったこの画像、ヴィトラ製のミニチュアだったんですよ。
よーく見ると実物ではないということがわかるはずです。
後日実物を使った動画を撮りました↓
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