– Tongue Chair–
デザイナー:Pierre Paulin (ピエール・ポラン)
フランス人デザイナーのピエール・ポランが1966年にデザインをした「タンチェア」はフランスのミッドセンチュリー期を代表する名作椅子の一つでもあり、ポランの60年代の象徴するデザインの一つです。
シンプルに曲線を描いた造形は人間の”舌”をイメージしています。
ベロのようなチェア
(写真の場所は埼玉県立近代美術館 https://ogitaka.com/2019/05/11/the-museum-of-modern-art-saitama/)
タンチェアはその名の”Tongue=舌”を意味する通り、人間の口の中にある舌をイメージしたデザインです。フランスではLangue(フランス語で舌を意味します)とも呼ばれる椅子です。
もう見たままですね、なんとなくアッカンベーをしたような舌です。したような舌、どうでもいいですね。
ポランの50年代は直線的なデザインが多くシリアスな印象でしたが、60年代に入るとスチールパイプとウレタンフォームを利用した曲線を多用したデザインをいくつも手掛けるようになりました。
「リボンチェア」「マッシュルームチェア」「オレンジスライスチェア」などなどと数々の椅子をつくった中でタンチェアは唯一人体のパーツを意識したデザインです。
1967年にオランダのArtifort(アーティフォート)社から発売され、現在も正規品が製造販売されています。
日本ではHOUTOKU社がライセンスを得ていたためポランの家具の製造を同社が行っていました。
日本で見かけるポランのヴィンテージ家具の多くはHOUTOKU製です。その為に公共の場などで以外にも普通にポランの家具が使われていることもあります。
タンチェアはコストを抑えるためにウレタンフォームの上からジャージ素材を被せることで作られていますが、これにより下部にファスナーを付けることでファブリックの着せ替えが可能となっています。
積み重ねもできることで利便性も高い椅子です。
そのファッショナブルな外見からポランの椅子はエンターテイメントやファッション界で好んで使われました。
似たデザインにポラン自身がデザインしたGlobe(グローブ)があります。
ジャンルとしては座椅子でしょうかね。
ラウンジチェアで本当は良いのでしょうが、より近いという意味でです。
座り心地はかなり良いです。と言うより想像通りの座り心地です。
日本人には受けが良い椅子ですよ。
オリヴィエ・ムルグの家具と共通点が多いです。
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