今は取引していませんが、私は以前はデンマークのアーキテクトメイドと取引してお店で正規販売をしていたことがあります。
数年前のある日お店の固定電話に電話がかかってきたのですが、着信の仕方が普通と違い非通知設定でした。
一応出てみるとアーキテクトメイドからの電話でした。デンマークからの国際電話だったので非通知と表示されてしまっていたのです。
突然どうしてアーキテクトメイドから私に電話がかかってくるのかと驚きました。
聞くとこんな話でした。
「日本でアーキテクトメイドの商品を販売するのにふさわしいお店を探していた」
「いろいろHPなどを見ていくと、こちらのお店は非常にレベルが高くアーキテクトメイドと相乗効果になる」
「アーキテクトメイドを置いて販売してもらえないか」
「弊社は現地の代理店を用意するなどせず、本社と直接取引する販売方式をとっている」
とこんな感じです。
私はもともとダック自体に縁があったので取引をすることになりました。
ダックがどう縁があったかというと、ダックはこのハンス・ブリングがデザインしたアヒルをモチーフにした木製オブジェです。
このオブジェにはストーリーがあります。
1959年の春、コペンハーゲンの街でアヒルの親子が道路を横切るために警察官が車を止めるという出来事がありました。このエピソードは当時の新聞で大きく取り上げられ、掲載されたアヒルの親子と警察官の姿は今もデンマークの春を回想されるシーンとして知られます。
ハンス・ブリングは、このアヒルの親子にインスピレーションを受けて、木製のダックとダックリングをデザインしました。
心和むハーモニックなデンマークの春という、当時のままのエッセンスを保った手作りの造形は、滑らかなカーブが美しいシンプルで洗練されたデザインです。
以前私が勤めていた会社では、そんなダックのヴィンテージ品の存在を知っており、そのオリジナルをもとにオリジナル木製オブジェとして販売をしていました。
結構な人気商品だったのですが、アーキテクトメイドが2008年にスタートした際に正式にダックが復刻されたことを機に製造を終了して在庫を売り切り販売も終えました。
もともとダックのデザイン自体は私も好きだったのでアーキテクトメイドからの連絡は良いチャンスでした。
それでデンマーク本国のアーキテクトメイドと取引を始めたのですが、私自身海外の会社と直接取引するのが初めてだったので勉強しながら探り探りやっていました。
国際振り込みは手間がかかります。
取引後は発注とは別にたまに電話がかかってきて、私が家具やインテリア事情に詳しく、また話した感じ親しみやすい人だからということでアーキテクトメイドの日本での進出にあたっての日本事情の相談を受けていました。
私は別に自分で売り上げを独占する気もないですし、みんなが良くなるのが望みですから協力しました。
後日たまたま日本に来ていたアーキテクトメイドの社長とも挨拶をして円滑な取引を続けていました。
大きな売り上げは無かったのですが、アーキテクトメイド的には私のお店で販売しているということ自体プラスになるからということで良好な関係を続けていました。
それから数年後。
ある日お店に知らない会社から郵便が届いていました。
中の手紙を見ると北欧関係の製品を集めて輸入販売している会社ということがわかり、ラインナップにアーキテクトメイドも掲載されていました。
同封された書面には「弊社はこの度アーキテクトメイドの販売代理店となりました」とかいてありました。
そこで日本に販売代理店が出来たことを知り、つまり”アーキテクトメイドをやっている会社は代理店を通すように”という通知でもありましたが、私はアーキテクト以外の製品をお店ではちょっとやれないような感じだったのでそのままスルーしました。向き不向きがありますよね。
そうして私はアーキテクトメイドの販売を終了しました。
なんとなく思いだした話です。
でもこうして海外の会社から私のお店を見て評価をしてもらえることは嬉しいものです。
やっぱりわかってもらえるんですね!
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