最近自分のお店でロロスツイードで張り替えたアームシェルチェアを作成しましたので販売しています。
使うシェルチェアは当然ハーマンミラー社製です。
私はハーマンミラー正規販売店をやっていますので、新品の正規品を加工して販売することはしませんし出来ません。
いや、出来なくはないのですが、やるとちょっと立場が・・・
今までもイギリスのハリスツイードやニューヨークのマハラムといった生地で張り替えをしたシェルチェアを販売して好評を得ています。
今回のロロスツイードも非常に評価が高いです。
マハラムの生地に関してはイームズやジラードの生地を正式に復刻している会社でもあるので、うちのようにミッドセンチュリー専門ぐらいのお店をしていると人気があります。
マハラム社の生地はすごい上品ですし、オフィスも最高でしたよ。
ところで。「そんなに張り替えたシェルチェアが良いのなら、もっとたくさん作れば良いじゃないか」と思われそうですが、そうはしません。
頻繁には張り替えたシェルチェアを作らないようにしています。
何でもかんでも張り替えれば良いってものでもありませんから自重していますし、かなり慎重に考えてやっていますよ。
まず、先述の通り私はハーマンミラー社の正規販売店をやっていますので、正規品のイームズシェルチェアを販売しています。
そこにクオリティの低い物を並べるわけにはいきません。ちゃちなものを並べてしまうと正規販売店としてのレベルも落ちますし、正規品の格も下がります。
一緒に並べて販売するからには「さすが」と言ってもらえるようなものを作ってこそです。
それから、もとになっているイームズシェルチェアは非常に優れたデザインをしています。
そこに格好悪い生地を張ってしまうと、元のデザイン自体が損なわれてしまいます。
これ重要で、やるからには相乗効果になるようなデザインにしないといけません。
張替え自体もレベルが高く、上写真のように縁についているモールを新品にして、さらに生地と縫い合わせという難度の高いことをしています。これが普通は出来ないので、かなりの熟練度の高い職人にお願いしています。
逆にこのモールを縫うことが出来ない張替えをしてしまうと、モールを接着剤で固めてしまいますから次回取り外しが出来なくなります。
モールを接着されたシェルチェアを持ち込まれたときは作業が本当に大変でした。後のことを考えていない張替え方法なので、その時良いだけですね。
モールは縫い合わせないとクオリティを保てないのと、接着剤が剥がれてしまうという問題もありますから、張替えをする際はそこまでするか確認しないといけません。
モールの新品はこちらで新たに作って用意したものです。もともとついているモールをそのまま活かせるのならそれが一番です。糸を抜いてまた新しい糸で縫い合わせるようにしています。ただ、古いものはモールが劣化していることが多くせっかく新品に張り替えてもモールが先にダメになってしまうのは勿体ないです。
ということで、こういったことを考えているので頻繁にはやりません。
正規を扱う人間として格を下げる訳にはいきません。さらに真似もできないクオリティを世に送り出す必要もあります。
売上も大切ですが、ただ売ればいいってものでもないという話でした。
皆さんが自分の好きな生地で張り替えたいというのは自由ですよ。
私が張り替えた状態で販売するのには。という話です。
イームズシェルチェアの張替えをしたい方はご連絡ください。
サイドシェル張替え ¥30,000(税別)
アームシェル張替え ¥37,000(税別)
※現金でのみ承ります。
※送料は別途いただきます。
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