以前名古屋の大須に「モダングラフィティ」というミッドセンチュリー系のヴィンテージ家具屋さんがあったのを覚えている人は居ますか?
写真は在りし日のモダングラフィティ店内を撮影した一枚です。
今回は名古屋ローカルな話題です。名古屋のミッドセンチュリーブーム時代を支えたお店の一つの話です。
モダングラフィティを覚えている人はいるはずですよ。
名古屋でイームズシェルチェアとかいろんなヴィンテージ家具を取り扱っていたショップです。イームズ好きなら行ったことあると思います。
名古屋でのミッドセンチュリーブームを支えた店舗の一つです。2000年代当時名古屋のミッドセンチュリー家具を求める人はモダニカ名古屋、パームス、ビーシックモダン、モダングラフィティなどに行っていたはずです。懐かしい名前ばかりです・・・
モダングラフィティは大須観音近くのビルの2階にあったところですよ。
モダングラフィティは・・・2009年ぐらいまででしたっけ・・・?
ちょっと記憶が定かではないのですが、そのぐらいまで営業をしていました。
私は同地域で交流を持つ人たちは少ないのですが、モダングラフィティのオーナーとは仲良くをしていました。
まだ私がイームズのことすらよく分かっていない状態の時にヴィンテージ家具に興味が湧いてモダングラフィティに足を運びました。この時の私は初めてこの家具業界に来たばかりの時でしたね。もうペーペーもペーペーです。
で、その時に初めてヴィンテージのシェルチェアを買ったんです。私の最初のイームズでもありました。
それからモダングラフィティのオーナーからはヴィンテージの家具の知識や情報を教えてもらって、私の自分が勤めているお店とも協力するようにしてもらっていました。
ちゃんとオーナーの売上にも貢献をして、その代りに情報を貰うという感じです。
まだこのころの私はヴィンテージ家具の知識がほとんど無かったので、モダングラフィティのオーナーによって成長できたとも言えます。シェルチェアの修理の仕方とか習いました。
オーナーはいろいろなルートを持っていて、自分が海外まで買い付けに行く以外にもこうしたヴィンテージ家具を集める”あて”を持っていました。
たまにたまに大口の納品があったりと不思議な人でもありました。どこからそんな需要があるのかと。
そのオーナーはお店を閉めてしまうのですが、その後も私との関係を続けてくれて、私が独立開業してからもサポートをしてくれました。主にヴィンテージ家具の修理でです。今はお願いしてませんけどね。でも元気にしていますよ。彼は。
まさか私が独立開業するとは夢にも思わなかったでしょうね。だって初めて会った時に私はイームズも名前ぐらいしか知らないしまったく知識もないのに家具に憧れているだけの若造だったんですから。
モダングラフィティを閉めた理由はいろいろあるのですが、そのうちの一つに来客に疲れたというものもあります。
そうなんですよね、私も他に閉店した他の業種のお店の人たちをみているのですが、売り上げが悪くて閉めるというより、人に疲れて閉めてしまうんですよね。話を聞くと。
お店を開けていると必ずしも自分の求める人だけが来てくれるわけではないんです。これがものすごいストレスになるんですよ。人を求めてお店をやっているのに、人に追い詰められてしまう。ジレンマ。
ミッドセンチュリーブームの終焉とともに名古屋では多くのヴィンテージ家具屋が終わりを告げました。そして2009~2011年ごろの名古屋は家具インテリア業界自体の暗黒期を迎えます。もう閉店ラッシュもラッシュです。インザルーム、バルス東京、カッシーナ(後に復活)、アクタス(後に復活)、FOBコープ、モダニカ、etc、けっこうなくなりました。
そんな中の2011年に私は開業したんですね。無謀。名古屋はいけるはずだと自分で証明するつもりだったんです。
これは本当の話なのですが、私がやってきたことで名古屋へ進出することを決めたメーカーや会社があったんですよ。そうやって聞きましたから。
ということでモダングラフィティというお店の思い出話でした。
ヴィンテージ家具の知識を得るのは難しいのに、今はこうした専門店も少ないので情報を得づらいですよね。
覚えたことは私も無くさないように大切に持って行きます。
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