自分が考えたデザインが他で勝手に使われるのはデザインを生業にしている人たちには大きな悩みです。
デザイナーではない私もその気持ちを味わいました。
それは十年数年前まで話が遡ります。
私はその時にある会社のインテリアショップに勤めていました。
その時に会社でオリジナルのラグを販売するにあたって、社内でデザインコンペをして評価が高かったものを商品にして販売するという企画がありました。
その時に新人だった私も一応は絵を描いて提出をしました。
何かをパクったわけではなく、本当にオリジナルの柄としてラグデザインに落とし込んだものです。
残念ながら私のデザインは箸にも棒にも掛からないどころか低評価を受けましたけど・・・
そんなデザインをしたことはすっかり忘れた数年後、あるショップが販売しているオリジナルラグデザインの中に私が描いたラグデザインがあったんです。
見たときはびっくりでした。色は変わっていたのですがデザイン自体はそのままでした。
そのショップは以前私が勤めていたところと関係があったので、もしかしたら過去のラグデザインの資料の中にあった私のデザインも、そうとは知らずに使ってしまったのかもしれません。
出所不明でも過去にオリジナルとして作られたデザインだと勘違いしてしまったのでしょうね。
驚きはしたのですが私はその時に何も言いませんでした。
言ったところで証明できませんし。
あと主張したところで得るものもないです。
それからまた数年後、別のショップが公開ラグデザインコンペをしていることをたまたま目にしました。
すると・・・あったんですよ、私のデザインした柄が。
もう訳が分かりません。見たときは笑っちゃいました。
色はまた変えられていましたし、ちょっとだけデザインのサイズが違う感じなのですが、でも間違いなく私の書いた柄です。
だってこの柄は私が考えた以外に存在しない柄だからです。昔の有名デザイナーのパクリとかではないからです。
しかしこれも私は何も言いませんでした。
だって言ってもどうしようもないからです。
絶対に証明なんてできませんし、証拠も十数年以上前のことですから残っていません。
言ってもしょうがないことがわかっているので黙っています。
要求もないのに伝えてもお互いが嫌な気持ちになるだけです。
僅かではありますがデザイナーの気持ちがわかりました。
本業のデザイナーの方々は本当に苦しんでいるでしょうから私が感じた気持ちなんてものはわずかなものです。
いまは自分で商品開発をしているのでもっとこうしたことに気を付けないといけないといけませんね。
私が知らず知らずにパクる側になっている可能性もあるのでそこも注意しないといけません。
今年は意匠登録をしたり、商標登録をしたりと知財について勉強をわりとしています。
知財の勉強は販売業にも役立ちます。
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