なんとあの枻出版(えいしゅっぱん)が民事再生手続開始の申立てを行い受理されました。
ニッチな文化も担ってきた重要な出版社だったので残念です。
枻出版といえばホビー、ファッション、バイク、ライフスタイル、食事と幅広いカルチャーに向けて人気のある雑誌を出版していました。
汽車や家具やカメラなど、マニア向けにムック本も出版しており人気も博しています。
家具だとやっぱり私はこれですね。
「美しい椅子」と「とことんイームズ」です。
なにせこの「美しい椅子」に出会ったからいま私はこの仕事をしているんですから・・・
おかげで茨の道に進むことになりましたが・・・
でも家具の美しさをしれて感謝している本ですし、いつかは私もこうした文化を伝えられる存在になりたいと思ったものです。
この本があったから今では独立開業して会社まで作りました、家具の良さ、楽しさは今でも変わりません。
今もこの本を読んでは当時の気持ちも思い起こされて家具デザインへの熱が思い起こされます。
それからこれらも枻出版ですね。
家具分野でも過去に多くの雑誌やムック本を出版していましたし、どれも文化を伝える内容として取材も掲載も良くできています。
おそらくですが、30歳以上の人はこの枻出版の本によって家具やインテリアに興味を持った人が多いのではないでしょうか?
インターネットがまだ活発ではない時は雑誌や本が重要な情報源でした。
こういった本を読んで勉強し、憧れたのではないですか?
それで私みたいに家具業界に入ってきた人もいるんじゃないですか?
大変な道に進んじゃいましたね!頑張りましょうね!
カルチャーを伝え、守る存在として枻出版は重要な存在でした。
出版不況、広告不況の影響が出てしまいました・・・
けど、インターネット/SNS/youtubeが便利だからと雑誌が衰退することに違和感も覚えます。
確かにインターネットは無料でいろんな情報が手に入ることで便利なのかもしれませんが、インターネとで無料で手に入る情報は全然詳しくもないですし深くもないです。
そもそも情報の信憑性もあやふやです。
少なくとも私が詳しい分野であるイームズやミッドセンチュリーという分野に関してネットで調べても、上っ面の情報ばかりですし、間違いも多いです。
私が知りたいという思うような深くて詳しいリアルな情報はありません。
そういった情報は古い雑誌や書籍の方がありますし、一番は長年経験した熟年者の話を聞くことで手に入ります。
ネット上には無い情報が知りたいです。
取材もして責任を持って情報を伝える媒体として枻出版の雑誌は価値のあるものでした。
ちゃんと深い情報まで調べて情報として載っていましたから。
時代の変化と言われればそうなのかもしれませんが、これはどの分野にも通じることではありますね。
おそらく私のような詳しく責任を持って家具を販売をするという仕事も完全に必要なくなるのでしょう。
もうすでに詳しい店員という文化は消滅しつつありますし。
簡単な情報ばかりが求められる時代になっていく上で、どう生きていくのが良いのでしょうか。
専門家が必要ない時代になっていくのなら、どうしていくのが良いのでしょうか。
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