– COMPONIBILI –
デザイナー:Anna Castelli Ferrieri (アンナ・カステッリ・フェリエーリ)
コンポニビリ(Componibili)はアンナ・カステッリ・フェリエーリ(Anna Castelli Ferrieri)がデザインをして1969年に発表され、イタリアのプラスチック家具メーカー「カルテル(Kartell)」社から発売された同社を代表する名作家具です。
当時の家具分野にとってまだ新しい素材であったプラスチックを使った、キャッチーでインパクトのある使いやすい収納家具です。
いまでこそコンポニビリは独立したプラスチック名作家具として存在しますが、以前まではミッドセンチュリージャンルの一つとして扱われていました。
その理由を書きますね。
何故かミッドセンチュリーアイテムだったコンポニビリ
まずミッドセンチュリーの意味ですが、”Mid-Century”ですから、ミッド(真ん中)なセンチュリー(1世紀)ということで、だいたい40年代~60年代のインテリアデザイン様式のことをミッドセンチュリーと呼びます。
ですから、コンポニビリは年代的にもミッドセンチュリーと言えばミッドセンチュリーかな??ですが、もうそのカテゴライズからは若干外れていますし、どっちかというと当時のイタリアンモダンデザインに入りますから、プラスチックの家具ということでスペースエイジの方がカテゴリーははまります。
スペースエイジ期の中で最も家庭で普及して成功した家具の一つでしょうね。
そんなコンポニビリがミッドセンチュリー扱いだった理由は単純で、ミッドセンチュリー系ショップでよく取り扱われて販売されていたからです。
現在の流通とは違い、以前の日本でカルテル製品を輸入代理店をしていた会社はホールセールスに力を入れていました。そのおかげで日本全国幅広くカルテル製品は取り扱いをされていました。
このコンポニビリが日本で注目が当たりだしたのは90年代からのことで、そのきっかけが勢いのあったミッドセンチュリー系インテリアショップの影響です。
90-00年代はミッドセンチュリーブームみたいなものがありましたから、そうしたことにスポットを当てた雑誌類も多くあり、この雑誌でもコンポニビリが同じくくりとして紹介されています。
今と違い00年前半までのミッドセンチュリーショップはアメリカンミッドセンチュリーだけでなく、北欧、イタリア、フランス、もちろん日本も全部含めてミックスして提案販売をしていました。
全部まとめて何となくミッドセンチュリーだったので、コンポニビリもミッドセンチュリーでした。
そんなわけで、ミッドセンチュリー好きにとってはコンポニビリは安いし誰でも持っているような家具ではありました。
なぜかボビーワゴンと仲間のような感じでしたし・・・
けど、時代が変われば扱いも変わるということで、今ではミッドセンチュリーなんてイメージはないと思います。
日本の代理店も変わりましたから方針も変わりましたしね。
ちなみに、昔はこんな脚を付けるなんてアイデアもありました。
私も真似してやってみたことがあります。(上写真)
この見た目だとスペースエイジ感が強いですね。
これ公式で脚のパーツだけ作って販売したら売れそうですね。
昔、カスタムパーツとして加工した脚だけ販売されていたこともありました。
今やっているところはあるか知りませんが、久々にやってみたら面白いかもしれません。
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