私だけなのかわかりませんが気になることがあります。
それはインターネット上に上げられているデザイナーズ家具の修理報告です。
それが正規品を正規ルートで直したものではなく、修理業者が非正規品のデザイナーズ家具の修理報告をあげていることについてです。
修理した家具は正規品?
デザイナー名や有名家具名で修理の検索をすると修理情報がいろいろ出てくるのですが、かなりの割合で模倣品の類なんですよ。模倣品はリプロダクトやジェネリック家具などのことです。
どこかの修理業者が、『お客様よりイームズラウンジチェアを預かりまして修理をしました!この椅子は○○の部分が壊れやすいので、この部分の修理が多いです。そこでこんな風にして修理が完了しました!』と載せていたりします。
※この文は実際にあるものではありません。
で、写真に写っているラウンジチェアを見ると正規品じゃ無いんですよ。
どう見てもコピー。
別にリプロだろうがなんだろうが売るのも買うのも好きにすればいいように修理も自由なのですが、”デザイナーの名称をそのまま出して故障しやすい”といった印象を付けるのは良くないでですよね。
そこでせめてしっかり正規品ではないということを書いてくれればいいですが、そこまで気を使って書いているケースはあまり見かけませんでした。
もちろん書いている人たちもいます。
これではまるで”故障しやすい家具を販売をして、販売店はアフターフォローをしない”という印象が付いてしまいます。
高い家具を売っておいてなんの責任もなく対応もしないのでは家具業界自体への不信感へと繋がります。
この情報だけが独り歩きして『○○の家具は壊れやすいよ』なんて評判が広がってしまいます。
事実、私はそんな情報を見ますし聞きます。
これではデザイナーの名前にもキズが付きますし、結局家具に価値を感じられない世界が作られてしまいます。
正規品ももちろん故障しますけど、保証期間内だったら保証対応できますし、何より購入店を通して正規のメンテナンスルートで修理をします。
基本的には購入店に相談をしてアフターフォローをする。
これが正規品では当たり前かなと。
それでどうして修理業者にリプロの類が持ち込まれるかというと、リプロ家具はアフターフォローが想定されていない場合はほとんどです。
リプロ品は修理をして長持ちさせるという発想が無いので、壊れた場合にメーカー※の修理手段が用意されていないケースがあります。
販売店も売って終わり。また買い直してね☆というスタンスです。
※メーカーというのはリプロ品を製造するメーカーのことです。
だから購入したリプロ家具が仮に一年ちょっとの短期間で壊れた場合でも、保証がないうえに、修理をするパーツも準備されておらず、そのまま終わりといったことがあります。
私は実際にそのケースにあっているお客さんを見たことがあります。
私がリプロ家具を販売したのではなくて、リプロのラウンジチェアを十数万円で購入して一年ちょっとで壊れてゴミになったしまい、それで後悔をして正規品を買い直してくれたお客さんです。
こうした理由からリプロ家具は一般の修理業者へ持ち込まれます。
そうして先述のように修理業者はデザイナー名だけ出して修理報告をあげるんです。
正規品かどうか判別がついているかまではわかりません。
逆に、正規品を一般の修理業者に出す場合はネットオークションや中古だったり、ヴィンテージ品だったりする場合でしょうか。
購入した店が無い場合は頼る相手がいませんから自分で探した修理業者に持ち込むでしょう。
でも正規品のパーツだけは普通には手に入りませんから、代用品や代替案で修理をすることとなります。
たまに正規品を直せないからと、無理やり穴を開けて修理箇所を固定してしまっている修理業者がいるからびっくりです。価値がなくなってしまいます。
何かの文句のつもりで書いているわけではありませんが、修理報告をご覧になった場合はそれが正規品かどうか考えていただけると良いです。
壊れやすいという評判を聞いたときは、それがちゃんと正規品かどうか、そして正規のアフターフォローをしっかりする店が販売したかどうかを確認してもらえるとすごく良いですね。
面倒でしょうけど。
なんか私、うるさいですね。
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