良いデザインの製品でも売れなかったりや、継続していくのに難しい事情が生まれた時に訪れるのが「製造終了」と「販売終了」という寂しい現実です。
そんな製品の販売終了告知には「廃盤」「廃番」「廃版」「製造中止」とそれぞれ異なった表現をされているの見ます。
変換ミスではなく、これらは異なる意味として書いていますので違いを説明します。
廃番/廃盤/廃版の違い (読みは”はいばん”)
廃番/廃盤/廃版は全て読みは同じ「はいばん」です。これらは全てオリジナルを抹消して製造を終了するという意味では同じですが使われる分野が違います。
廃盤とは
廃盤(はいばん)とはレコードやCDなど円盤メディアを対象に使われます。
「盤」を「廃」止するという意味です。
オリジナルデータが保存されているマスターテープを廃棄することなので、同じ音源での再生産が出来なくなるということです。
盤はレコード盤から来ている表現です。
廃版とは
廃版(はいばん)とは本など書籍類を対象に使われます。
「版」を「廃」止するという意味です。
原版を廃棄することなので重版ができなくなります。
「絶版」という表現もあります。
「版」は「印刷して書物をつくる」という意味ですのでそこから来ている表現です。
廃番とは
廃番(はいばん)とは製品全般に使われます。
製品番号が付いている製品のどれでも当てはまります。
車、玩具、機械類、家具、etc、なんでも製品番号があるものは「廃番」です。
製品「番」号を「廃」止するという意味です。
品番を消してしまうのでもう同じものは作れないということです。
この「廃盤」と「廃版」と「廃番」は変換ミスでも表記してしまうことがあるので、仮に家具分野で「廃盤」と表記されていても「廃番」と同じ意味です。
この表記がされていたらもう二度と同じものは作れないということです。
再生産は期待できません。
廃番品は英語で”discontinued”と表現されます。
よく口頭では”ディスコン”と言ったりします。
こう聞いたら廃番みたいなことだと思ってもらえたらOKです。
でも数年後、あるいは数十年後に同じデザインがまた発売されることがあります。
その場合は復刻ということになります。
見た目が一緒でも「製造再開」としないのは、オリジナルデータが消えている以上全く同じものではなく、それをもとにして新たな製造方法で作ったものだから異なる製品ということだからです。
製造中止とは
これは製造を中止しただけなので再開する可能性があるときに使う表現です。
このまま再開することもありますし、仕様を変更して再開することもありますし、なんだったらこのまま廃止になってしまうこともあります。
いつまでも再開しなくともオリジナルデータを破棄しない限りは廃止とはなりません。
製造終了とは
これは製造は終了したのですが、廃止とまではいかずただ終了しただけです。
いつか再開することもあるかも。
基本的に終了である以上は終わりなのですが、可能性として再生産できる道を残している状態です。
再開するほうが珍しいかもしれませんね。
製造停止とは
製造を停止してるだけなので近日中に再開する予定だということです。
この表現を使うときは近いうちに再開する見込みがあるので、短期間だけ製造が出来ない時に使われ
ます。
終売(しゅうばい)とは
販売を終了するという意味です。「発売」とは逆に意味で使われます。
この表現の使い方に決まりはありませんが、販売期間が決められている製品の終了時に使われたり、生産中止の意味で使われることもあります。
在庫がある限りは販売を続ける販売終了品を「終売」と表現することが多いです。
ということで以上が使い分けとなっています。
気になる製品の製造停止情報が出た時に、どういった表現がされているかで再開するかどうかが何となくわかります。
ただ、明確に使い分けが定められて全員が従っているわけではないので、感覚的な物として参考程度に読んでください。
廃番となったら基本的に諦めて、現在の在庫を探したりいつか復刻するのを待つしかないですね。
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