– Eames Children’s Chair –
デザイナー:Charles & Ray Eames (チャールズ & レイ・イームズ)
イームズデザイン唯一の子供用の椅子です。
そしてこの椅子は軍事用途以外で初めて成形合板(プライウッド)が使用された製品です。
子供用の椅子としては早すぎたデザイン
この椅子が発売されたのは1945年です。
イームズ夫妻は戦時中レッグスプリント(足の添え木)の製造に勤しんでいました。
その傍ら、レッグスプリントを作る成形合板の技術を生かして家具作りをしていました。
彼らは将来、家具のデザインと発表を画策していたからです。
そうして最初に製品としてデザインした家具がこのチルドレンズチェアです。
レッグスプリントで培われた合板技術を発揮して作られたこの椅子は、合板二枚で構成されただけの作りとは思えないほどファッショナブルで剛性もあるよく考えられたデザインです。
同時に背もたれのないスツールタイプも作られました。
背もたれにハートマーク型のくり貫きをしたのは彼らなりの遊び心でしょうか。
エヴァンス社で製造販売をしていました。
この写真は貴重なオリジナルのチルドレンズチェアです。当時はバーチ材で製作をしていました。
私が昔ガラケー時代に撮影をしたものなので画質はお察しです。
ただこの椅子は商業的には失敗をしており、初期製造の5000台のみで生産を終了しています。
また、子供用の椅子ということから無事に現存していることが少なく、ヴィンテージ品は貴重となっています。
2005年(日本は2006年)にハーマンミラー社がこの椅子を「イームズチルドレンズチェア」として製品を復刻して製造販売を始めました。
それも数年後には製造販売を終了しています。
子供用の椅子にしては価格が5万円以上したためでしょうかね。
現在はヴィンテージはもとより、ハーマンミラー社の復刻品もあまり見かけることがありません。
チルドレンズチェアのその後、大人用の椅子としてプライウッドチェアの製品化がハーマンミラー社にて決まりました。
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