こんなような主張でリプロダクト家具/ジェネリック家具を販売しているケースを見ます。
・イームズ夫妻の望みは安価で椅子を量産して販売することだ
・だから正規品はイームズの理念とは違う
・正規品の価格をイームズ夫妻が望んでいない
こうしてリプロダクト/ジェネリック家具の方がイームズの理念に近い「イームズが本来望んでいること」として業者が販売をしているのですが・・・
「安価」がどの程度の価格か勘違いをしてしまっているゆえの誤解から生じた主張だと思われます。
イームズの椅子が安価なのは本当か?
例えば世間の認識では現在「安価」な椅子の価格というと日本では1脚/数千円ほどとなるでしょう。
2-3千円の椅子が存在するぐらい家具の価格はデフレが進んでいます。(最近はインフレ方向に進んできていますが)
この価格を「安価」と判断され正規品の数万円を「高額」だと批判をしているわけです。
でもイームズの言う「安価」は現代の価格でいう椅子1脚/数千円ではありません。
194~50年代当時では、手作業かつ木製で製造された椅子に比べると「安価」ぐらいの話です。
イームズプライウッドチェアだって当時は1脚$25-30ですけど、フォードの新車が$500-700ぐらいのものだそうです。(フォードの価格は渡辺力著書から)
現代の1脚/数千円から比べると全然「安価」じゃないですよね?
むしろ現代の数千円が異常なんです。その価格未満で製造できる手段があるということです。
だから正規品は当時の価格から考えても特別高額ではありません。
イームズ夫妻のことを妄想で代弁して正規品批判のみならず販売促進のための模造品擁護に使うのは良くないです。
まずはしっかり知識をつけてから発信すべきですね。
この価格問題が無かったとしても。、イームズ夫妻が仮に生きていたとしてリプロダクト/ジェネリック家具を良しとするわけありません。正規品を薦めますよ。
自分たちのデザインなのに自分たちにお金が入ってこないのを良しとするわけないじゃないですか。
スペックに従っていない模造品があふれ『イームズの椅子って壊れやすいよね』といった評判が広がる方がありえないです。
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