ジョージ・ネルソンの名作椅子「ココナッツチェア」の素材が変わり新たに今年復刻されました。
ハーマンミラー社製造ともなり、環境に配慮をした素材選びをした正規復刻です。
サステナブルな素材になったココナッツチェア
ネルソンココナッツチェアはもともとハーマンミラー社にて1955年から1978年まで製造販売されていました。
当時シェル部分にはFRP(ガラス繊維入り強化プラスチック)を使用していました。
これはほかネルソンデザインやイームズシェルチェアの技術をそのまま生かしている素材選びです。
それからハーマンミラー社はココナッツチェアの製造はしていませんでしたが、1988年にヴィトラ社が復刻製造を始めました。
その際にオリジナルココナッツチェアと同じ素材を踏襲してシェル部分はFRPを採用していました。
ハーマンミラー社自体は復刻製造はせず、いつごろからかヴィトラ製造品をここ日本でもハーマンミラー社のカタログに掲載をして販売をしていました。
そして今年からとうとうココナッツチェアをハーマンミラー社が製造をすることになったことで素材の変更をしました。
それがシェルの素材をFRPからポリプロピレン樹脂にするというものです。
FRPはガラス繊維が入ることでリサイクルができず、燃やすと炭素が出るということから環境に配慮して素材変更ということです。
さらに今までのヴィトラ製造品に比べると格段に値段が下がることで普及しやすい価格帯となりました。
また、ハーマンミラー製造品となることで生地の選択肢も増え、マハラムの生地やファブリックも復刻しています。
今回を機にココナッツチェアに目を向ける人が増えそうです。
>>ハーマンミラー正規復刻品ネルソンココナッツチェア商品販売ページ
ところで、ここからはあくまで私見です。
ココナッツチェアですが、そもそもそんなに台数が売れて普及するような椅子ではありません。
しかもかなり頑丈なのでレザー張りにすれば数十年は普通に使えますから処分をするようなことがないです。
仮に必要なくなったとしても捨てずに誰かに渡せばよいことです。欲しい人はいくらでもいます。
と考えると、ココナッツチェアはFRPのままでも別に捨てられるようなことがありませんから環境にそこまで配慮をしなくても良いような気もします。
製造側の都合としては確実にポリマー系の素材のほうが良いので、コスト的にも含めてそのほうが今後の持続的な製造には必要不可欠なことだったのかもしれませんね。
もちろん環境に悪いものを一個でも作るのがダメだと言われたらそれまでですが。
時代に合わせて名作家具も素材やスタイルを変えていく必要があるということですね。
家具の販売業もひと昔に比べて大きく変わっていると感じます。
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