アーロンチェアを代表とする革新的かつ世界最高峰のオフィスチェアを製造する「ハーマンミラー」社がデジタルデバイスを開発するロジクールブランドの「ロジクールG」とゲーマー向けの次世代高性能家具の研究、デザイン、製造における独占パートナーシップ契約を結んだのは記憶に新しいです。
予定では春に発表するはずだったゲーミングチェアが、コロナウイルス問題により延期していましたが2020年7月23日に発表と同時に発売となりました。
発売されたエンボディゲーミングチェアの特徴と通常のオリジナルエンボディチェアとの違いと注意点についてエンボディチェア販売歴16年以上の専門家が解説します。
後述しますがエンボディゲーミングチェアは通常のエンボディチェアとは性能が異なっています。
ハーマンミラーとロジクールGとの共同で開発された詳細
ハーマンミラーX ロジクールGのエンボディゲーミングチェア
発表までオフレコにされていたハーマンミラー社とロジクールGのコラボゲーミングチェアは、ハーマンミラー社の代表的高性能ワークチェア「エンボディチェア」をゲーミングチェア仕様に変えたものです。
このエンボディゲーミングチェアは座面に凹凸状のフォーム層を追加したゲーミングシートを装備しており、銅線を入れて熱がこもるのを防ぐクーリングフォームテクノロジーを取り入れています。
エンボディゲーミングチェアとオリジナルの通常エンボディチェアとの違いは座面と色ですが座り心地と性能も違います。
エンボディゲーミングチェアは耐圧を分散するピクセルサポート構造が部分的にしか反応せず、背中もお尻も凹凸があり、さらに生地が擦れる音も鳴り、エンボディチェア本来の性能ではありません。
エンボディチェア本来の性能はデザイナーの意思が入っている通常のスタンダードなエンボディチェアですしそのほうが価格も安いです。
それ以前にエンボディチェアのアームパッドは平面で硬いため試座ではわかりませんが、長く座り続けると腕や肘が痛くてなり、これが原因で手放す人を過去に何度も見ています。キーボード向けなのにアームレストのデザインは違和感があります。
プロゲーマーが座っているから良い椅子だ!と思うかもしれませんが、ゲーミングチェアなんてスポンサーの関係で座っているだけなので良い椅子だから選んでいるわけではありません。別に同じ椅子に座ったらゲームがうまくなるだけでもないですし。健康になることもありません。
むしろ座り続けることで身体は壊れていきます。
彼らはお金を出してくれる会社の椅子を座るだけです。
ゲーミングチェアがどうしてヘッドレスト付きが多いかわかりますか?あれはヘッドレストにブランド名を入れることが出来るので画面に映るからです。
宣伝のためにロゴ入りTシャツを着るようなものですから、誰かが座っている椅子だから良いなんてことは無いです。
それとアームレストは通常のエンボディチェアと共通ですが、アームパッドが硬めのでキーボード&マウス操作やコントローラー操作を長時間すると腕や肘が痛くなってきます。正直このまま使うのには辛いです。
>>エンボディチェア自体の詳しい解説記事はこちらですのでお読みください。
それにしてもまさかのエンボディチェアをそのまま活かしてくるとは別の意味で驚きです。
ですが、ハーマンミラー社がeスポーツ参入の記事↓を書いたときから私は若干予想をしていました。
そもそもエンボディチェア自体がゲーミングチェアとしてもトップクラスの快適さでしたからね。
ゲーミングチェア市場に向けてどのような価格でいくのか気になっていましたが、普通にハーマンミラー製品価格で来ましたね。
それにしてもゲーミングチェア市場は1~5万円ぐらいが売れ線ですから、そこに比べるとぐっと高い感じがします。
ただ、基本的に使い捨てで買い替え前提の安いゲーミングチェアと違い、保証12年の高品質と耐久性を持ったエンボディチェアとでは考え方が違います。
ゲーミングチェア市場に向けてもさすがにハーマンミラー社は格の違いを見せつけていますね。
性能が段違いですから。
eスポーツプレーヤーは、長期的な健康上の懸念に加えて、不快感のために集中力を失い、全体的なパフォーマンスが低下する場合があります。
現在の市場にあるソリューションではこうした問題に対応していません。
実際、今日の市場にある製品の多くが研究によって証明された人間工学に基づくデザインよりも、美しさに主眼を置いており、有害無益となっています。
ハーマンミラー社もここまで既存のゲーミングチェアを否定していますから、価格で張り合うことはせず優れたし技術とシーティングレベルの高さで勝負です。
ゲーマー同士でも、このエンボディゲーミングチェアを使っているところを見せつけることで、プレイヤー間でのレベルの違いを感じるかもしれませんね。
(ゲーミングチェア自体はどんなものを使っても皆さんの自由ですし、私も別に人が何を売ってどれを買っても自由だと思っています。)
そのうちアーロンゲーミングチェアとかコズムゲーミングチェアとか出たりして。
※追記 アーロンチェアゲーミングチェアが本当に発売しました。
画像と情報は全て公式HPから https://www.hermanmiller.com/ja_jp/products/gaming/
コメント
コメント失礼します。
ご返信いただけるか分かりませんが、質問させて下さい。
「エンボディゲーミングチェアは耐圧を分散するピクセルサポート構造が部分的にしか反応しない」とは、シート面に凹凸がある事によるものでしょうか?
エンボディチェアの購入を検討するにあたり小木曽さんの記事は大変参考になっているのですが、この一文だけ理由が気になりましたので、教えていただけると幸いです。
そうです、ピクセルサポートは本来はフラットな面に対して均一に作用するものです。
都合の悪いコメントのみ削除するのやめてもらっていいですかね。
自分の間違いを認めるようなものだと思いますが、それでよろしいですね?
「部分的にしか反応しない」は表現として誇張されていると感じます。
実際は、「ピクセルサポートの機構は通常モデルと同じだが、シート面に凹凸があるためその分圧力に差が生まれる」が正しいですよね。しかも生地の2mm程度分の圧力差しかないため、座っていて体感できるレベルではないです。着てる服のほうがよっぽど影響度が大きいと考えます。
また生地がすれる音に関しても、通常モデルでも似たファブリックが選択できるため、Logicoolモデル特有の問題点ではないかと。
これらの意見は実際に長期間使用してみた私の感想でもありますが、ハーマンミラーの直営店からも同等の説明を受けています。
購入を検討してる方へ
この記事は嘘ではありませんが、意見をネガティブに寄せすぎです。実際に購入する際はデザインとファブリックの質感で通常モデルかLogicoolモデルかを選択するのがベストかと思います。
この記事で言及されていないこととして、「Logicoolモデルのほうが座面が若干厚い」というものがあります。これによりクッション性が向上している反面、熱がこもりやすいです。Logicoolモデルは銅粒子入りのクーリングフォームを採用して排熱性を高めていますが、どちらが勝るかはなんとも言い難い感じです。
追記
「通常モデルのほうが価格も安いです。」
と記事にありますが、Logicoolモデルでは、グレードの高いファブリック、堅床OKなキャスター、白いフレーム(アメジスト/ギャラクシーのみ)など、通常モデルではオプション扱いのものが標準で装備されている点を考慮すべきです。