– Eames Shell Stool –
デザイナー:Charles & Ray Eames (チャールズ&レイ・イームズ)
国内では2015年にハーマンミラー社から新たなシェルチェアのベースバリエーションとして新発売されたイームズシェルスツールは、昨今のレジデンシャル・オフィス環境の需要に合わせた椅子の高さです。
バースツール、カウンタースツールの二種類があります。
でも復刻品ではありません。ヴィンテージ市場に全く同じデザインはありませんので新しく考えられたベースです。
背の高いイームズシェルチェア
こうした人が立ったままの状態でも使える高さのテーブルの需要が増えています。
この高さのテーブルに合わせるには脚の長い椅子じゃないといけません。ジャンルだと「バースツール」「バーチェア」「カウンターチェア」「ハイスツール」といった呼ばれるものです。
イームズ夫妻による名作椅子イームズシェルチェアのベース部分をそのまま伸ばしたシンプルながら使いやすいこのデザインは、先述の通り同じものはヴィンテージでは存在しません。つまり、イームズ夫妻が存命中に考えられてハーマンミラー社から発売はされていません。ありそうでないです。
(考えられてはいたかもしれませんけどね、少なくとも特注以外でこの脚の長いベースがカタログに掲載されて販売はされていません)
でも脚の長いシェルチェア自体はありました。
昔からシェルチェアは多くの場所で利用できるように脚の多様性が売りでもありましたので。
それが上写真右のシェルチェアについているドラフティングベースです。
左のスツールはロバート・プロプストのバーチですので気にしないでください。
ドラフティング(製図)のための長い脚です。製図をするデスクは高さがあるためそれに合わせた脚です。リング状のパーツに人の足を乗せて使います。
このように昔は仕事用の椅子としての需要がありました。
さらにダウェルベースの脚を長くしたドラフティングベースも存在します。
(ハーマンミラージャパン社内)
現代ももちろんオフィス環境で必要な脚の長さではありますが、住宅でもこのようにカウンターを作ることが多くなったことで要望も増えました。
こうした先を見越して新たに作らたのがこのイームズスツールです。これからますます人気が出るでしょう。
なにせ素材にもよりますが値段が2019年現在6万円からですからね。お値打ち。耐荷重も138kgまでOKで保証も5年、それでいてこのカラーリングの素晴らしさにデザインの良さ。座り心地もスツールにしては相当良いですよ。私の店でも一目で気に入る人がいるぐらいです。
ところで、本当に脚が長いデザインのシェルチェアがなかったかというと実は近い物があります。
(https://www.hermanmiller.com/ja_jp/stories/why-magazine/the-other-herman-miller/)
それがこれですね。非常に珍しいレアなXベースのカウンターチェアサイズです。これはカタログに掲載されて販売されたものではなく、どうも特注されて販売されたものらしいですけど詳しことは不明です。もしヴィンテージ品として見つかったら高値が付くでしょうね。
これを発展させたのが今のスツールでしょう。
※四本脚の脚の長いのはありました、忘れていました。でもバーハイトほど高さはありません。
カウンターに合わせる椅子を探している人にはピンと来るはずです。
商品ページは下記からご覧いただけます。
最後にちょっとナイーブな話を。
このイームズチェアのスツールVer.ですが、名前までは明言しませんがレプリカでは以前から存在します。
だからハーマンミラー社からこのスツールベースが発売されたときはいろんな意味で『まじっすか』と思ったものです。
いやでも真似だとは考えませんよ。だって四本脚を伸ばしたスツールなんて誰でも思いつきますからね。むしろ他のデザインでやる方が普通じゃありません。
エッフェルベースをスツール仕様にしたらデザイン的に耐久性が気になってしまいます。出来たら格好良いでしょうけど。
マジス社だと近いのがあるんですよ。
(https://magisjapan.com/products/detail/286)
これです。トロイスツールです。
すごいデザインですよ、よくこの価格で実現していますよね。
コメント