
毎年、ブラックフライデーや年末商戦の時期になると、「荷物が届かない」「配送が遅れている」という声が急増します。
なぜ毎回のように物流がパンクしてしまうのか?
その背景には、現代の小売構造と消費者行動の大きな変化があります。
現在、ブラックフライデーセールの影響で物流が大きく滞り、配送遅延が発生しています。多くのショップや配送業者が同時期にセールを行うため、出荷量が一気に増えることが主な原因です。
さらに、消費者もセールのタイミングを把握しているため、必要なものをセールまで待って購入する傾向が強くなっています。
その結果、物流にかかる負荷は一段と大きくなります。
物流業者としては、年間を通して安定した売上と配送量を維持したいところです。
しかし、繁忙期だけ一時的に人員を増やすことは難しく、突然増える出荷量に対応しきれず、結果として配送が滞ることになります。
加えて、以前から問題となっている不在や再配達の対応も依然として物流の負担になっています。
現代では、オンラインショップだけでなくフリマアプリや各種ECプラットフォームの普及により、配送の量はますます増加しています。
その中で繁忙期だけ人を雇って対応しても、セールが終われば再び物量は通常に戻るため、持続的な解決策にはなりません。
さらに、人材採用にはコストがかかり、給与を増やす必要も出てきます。そのコストは最終的に送料や商品価格に反映されることになります。
こうした状況を踏まえると、現代の小売業は「一年中セールをする世界」に変化しており、従来のお店の存在価値が問われる状況になっています。
セール以外に顧客を引きつける要素が少なく、売れないからセールで対応するという悪循環が続いています。
特に、配送を自社で行わず、外部の物流業者に委託している場合、セールを真似ることで物流に負担をかけ、結果として送料を上げることになるのは非効率に感じます。
実際、独立開業して15年以上経ちますが、業界の現状を見ると、互いの足を引っ張り合うような状況が多いと感じざるを得ません。

コメント