– CARLTON –
デザイナー:Ettore Sottsass (エットレ・ソットサス)
Memphis(メンフィス)を代表する作品の一つがこのカールトンです。
エットレ・ソットサスが1981年にデザインをしたポストモダンを象徴する家具です。
本棚であり反デザイン主義の象徴
このカールトンは本棚でありながら斜めの間仕切りにアバンギャルドな配色と、とても合理的とは呼べない構成です。
まるで彫刻のような印象を受けますが、これは反デザイン主義を表しています。
反デザイン主義はラディカルデザインのことで、大量生産による資本主義と消費主義の拡大により、デザインが商業的な道具へとなってしまうことへの反発を意味します。
つまるところカールトンは家具という媒体ではありますがデザインではありません。
しかし家具として使える以上はデザインですが反デザインです。難しいですね。
個人的な意見を述べるのなら、これは自己の主張の発現である以上アートです。
そうなるとアートなのにデザイナー本人ではなく、他者が少量とはいえ量産することとなり、これも矛盾が生じます。
本人以外が量産するとなるとレプリカという呼び方が正しいです。
ブルーノ・ムナーリの言葉を借りるなら”アートは量産されるべき”となりますが、ソットサスのアートに対する主張はわかりません。
それに本人がアートとは呼んでいない以上は反デザインの象徴と言う位置づけですが・・・
書いていて結論が出てこないのでここまでとします。
解釈は人それぞれとなりますが、カールトンはこのような存在ですし、メンフィス自体がラディカルデザインです。
ちなみにサイズが縦横2m近くあり分解も出来ません。
金額も相当ですが、これが搬入できる物件となると難しい条件です。
それでも日本で年間数台は売れるそうなので買う人がいることに驚きます。
実物はデカすぎるのでミニチュアが存在します。
こちらはカールトンの見た目はそのまま縮小したものなので、オブジェとしてソットサス好きに気軽に勧められます。
でも限定品なので無くなったら終わりです。
カールトン自体は無理でもこのミニチュアなら欲しい人がそれなりに居そうです。
メンフィス商品一覧(私のお店)
https://www.casestudynagoya.jp/SHOP/g18853/list.html
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