– Westside Collection –
デザイナー:Ettore Sottsass (エットレ・ソットサス)
イタリアの建築家エットレ・ソットサス(1917-2007)が1983年にデザインしたこのソファシリーズは、ポストモダンを象徴するような配色と構成が特徴です。
この椅子は当時米国ニューヨークのKnoll社から発売されました。

Knollから発売されたソットサスデザイン
Westside Collection(ウェストサイドコレクション)がデザインされたのは1983年で、ソットサスとKnoll社とのパートナーシップも1983年から始まっています。
80年始めにソットサス・アソシエイツを中心に始まったデザイングループ「メンフィス※」にてソットサス自身も活動をしていましたが、1983年にはそこから若干離れKnollとの仕事をすることになります。
※メンフィスは1981年にソットサスを中心にイタリアにて集まったデザイングループです。
70年代のデザインへの反発の意味もあり、保守的なデザインではなくデザイン自体がユーモラスでビビッドで大胆な色使いをしていることが特徴です。新たな国際様式をテーマに掲げていました。
メンバーにはミケーレ・デ・ルッキ、アンドレア・ブランジ、マーティン・ベダンなど何名ものデザイナー・建築家が参加しています。
展覧会には日本から梅田正徳、倉俣史郎らも参加したことがあります。
玩具のレンガをイメージさせるようなウェストサイドコレクションはメンフィスの配色をそのまま踏襲したような豪快な色使いにより評価をされます。
顧客の要望に合わせて1人掛け、多人数掛けなどバリエーションとカラーを指定することができるなど柔軟な対応も可能でした。
ソットサスは1988年までKnoll社との関係を続け、その間に3つのコレクションを発表しました。(他にマンダリンチェア、ブリッジチェアがあります)
ソットサスのデザインがKnollで発売するという珍しいパートナー関係でもありました。
説明では米国のノルインターナショナルだと記載されていることがありますが、実際に製造を手掛けたのはイタリアのKnoll Studioではないかと予想されます。
名作椅子の一つというより、名作ソファと表現した方が良いのかもしれませんが、ソットサスの代表製品のひとつです。
ちなみに写真を撮影した場所は富山美術館です。
こちらは撮影OKに座ることも大丈夫という太っ腹さです。
私もここで初めてこの椅子に座りました。
なんだか偉そうな感じですが、撮影のために身体がこわばっているだけです。
オリジナルが最近やっとヴィンテージ(30年)を超えたデザインですので、もっと時が絶つほどに評価が高まるのだと思います。

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