柳宗理による「早く沸くヤカン」の話

早く沸くヤカン

– 早く沸くヤカン –

デザイナー:柳 宗理

この一見普通のヤカンは1953年に柳 宗理がデザインしたものです。

若干だけ注ぎ口が広いぐらいは特別な部分が見受けられないこのヤカンは、まさに「問題を解決するデザイン」をシンプルに形作られたプロダクトです。

20世紀の日本のインダストリアルデザイナーの一人であり、戦後のデザインの発展に大きく貢献した人物である柳 宗理の実績をお伝えします。 民芸を伝える重要人物でもあります。 彼の代表作バタフライスツールはニューヨーク近代美術館にて永久収蔵品にも選定されています。

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ヤカンの構造

内部構造はこうなっています。

1945年の第二次世界大戦の終戦から8年。まだまだ資源が不足している日本において、東京ガスが柳 宗理に依頼したヤカンは「ガスの倹約のために素早く水が沸くヤカン」というものでした。

そこで彼は火の当たる面積を大きくするために、中心部を空洞にしたドーナツ形の中空構造にしました。

こうすることで熱が伝わりづらいヤカン中心部にも火が当たることで短時間で沸騰するというものです。

このデザインはシンプルな構造ながら非常に良く考えられたデザインだと感じます。

”デザインというものは何かの問題を解決するため”ということが見事に体現されています。

一工夫で見た目も損なわず、なおかつ目的も達成するのはこの時代じゃなくても素晴らしいデザインです。

このような今も見慣れたステンレスやアルミニウム製のヤカンが生まれたのは1921年だと言われています。当時ニューヨークのにあったキッチン用品の会社が製造したとか。

中心が空洞になった柳デザインのヤカンが現在は使われていない理由はわかりません。ガスを倹約する必要が無くなったのか、それもと中心が空洞のために内容量が少なくなってしまうからか、もしくは何かほかの理由があるのかもしれません。

IHが一般化した現在では関係のないデザインではありますね。

柳デザインのキッチンツールは現在も佐藤商事によって製造販売が続けられています。

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