アレキサンダー・ジラードといえばHerman Miller(ハーマンミラー)社のテキスタイル部門のデザインディレクターとして活躍し、また同社にてジラード・ファニチャー・グループという家具シリーズを発売したことで知られています。
60年代にはNYにラ・フォンダ・デル・ソルというメキシコ料理のレストランをデザインしたりTexilte & Objectsをオープンするなど活躍の場を広げ、ブラニフ航空のデザインにも参加するなど評価の高い人物です。
彼の経歴からするとハーマンミラー社と非常に結びつきが強い人物ではあるのですが、実はあまり知られていない実績として他のメーカーから家具やテキスタイルをリリースしていた経験を持っています。
それが同じく米国のニューヨークに本社を構えるKnoll(ノル)社です。
このテーブルは1948年にジラードがデザインしたコーヒーテーブル(Model 108 Coffee Table)です。後の彼の作品に比べると木製を使った上品なデザインが珍しい物となっています。
年代的にハーマンミラー社のデザインディレクターに就任する前ですから不思議ではありません。
このころ彼はデトロイトで自身の事務所で活躍をしていた時期ですから、アプローチがあって家具をデザインしたのでしょう。
さらにKnoll Textiles(ノルテキスタイル)にて自身のグラフィックを落とし込んだテキスタイルを何種類かリリースしています。
こちらは現在ではすべて廃盤テキスタイルとなっていますが、ジラードの独創的な世界観が表現された優れたデザインが魅力となっています。
余談ですが先ほどのコーヒーテーブルはヴィンテージ品では非常に高値が付いており、数年前のアメリカの著名なオークションで日本円で120万円を超える落札価格を記録しています。
希少性もあるからなのと、ジラードのデザインは人気があるからでしょう。
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