ロジェ・タロン(Roger Tallon)
1929-2011
彼はフランスを代表する工業デザイナーです。
フランスの新幹線「TGV Atlantique」 や「TGV Duplex」をデザインした人物といえば名前を知らなくてもピンと来る人も多いはずです。
60年代の携帯型テレビ「Teleavia」やlip社の腕時計「Mach 2000」といった革新的なデザインでファンを作り、椅子からテーブルウェアといったプロダクトまで手掛けています。
最近そんなロジェ・タロンの話題を話すことがあります。
ちょうど彼の製品が日本でまた販売されるようになったからです。
そうすると必ず話題に上がる話があります。
それがこのモジュール式の螺旋階段「M400」のことです。
この写真は私が独立前に勤務していたお店の店内なのですが、1964年当時にオリジナルヴィンテージ品をオブジェとして設置していました。実際貴重品。
MOMAのパーマネントコレクションにも選定されているとにかく美しいタロンらしさが詰まった階段です。本来は周囲に手すりも設置していました。
この階段の格好良さの話をするとともに、「あの階段どこ行ったの?」と尋ねられます。
この写真のお店は2010年に閉店をしましたので私も当時頑張って後片付けをしていました。
この階段も上写真のように撤去をしたのですが、その後、階段だけ購入希望の会社が現れましたので貰われていったんです。
具体的な話は覚えていませんが、確かどこかの展示場のオブジェとして飾られているみたいです。
この階段は格好良いには格好良いのですが、現在の日本の建築基準法的に商業施設や人が訪れる場所には設置して使用することが出来ません。なのでオブジェとしてですね。
自宅ならもしかしたら良いかもしれませんが、自宅にこの階段を付ける人が日本に果たしているのでしょうか・・・。かなりのロジェ・タロン好きか60年代のフランス好きですね。いたら。
ちなみに、この階段は現在も新品で購入することも可能です。相当な予算がかかるでしょうが、もし設置したら最高に素敵ですよ。
どこで買うかですが・・・私に言ってもらえたら用意しますよ。
こうしたことをどうにかするのがコーディネーターとしての私の仕事です。
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