国内でGoogle検索の新機能として生成AIによる検索体験 (SGE -Search Generative Experience) の日本語版の試験運用が開始されました。
生成 AI による検索の進化
生成 AI の新たな技術進歩により、検索エンジンの更なる可能性を再考することができ、新しいタイプの質問に答えたり、情報の整理の仕方を進化させることが可能になりました。今回の新たな取り組みにより、ユーザーがトピックをより早く理解したり、新しい視点や洞察を発見したり、知りたい情報により簡単にアクセスしたり、複雑で時間のかかる作業をより効率化できるようサポートします。
グーグルにとって検索結果に出る広告は大きな収入源ですが、ここを損なってでもAI回答に踏み切ったのはb-ingや他社AIの台頭に対するものでしょう。
そこで今回は家具関係でこの回答がどうなるか試してみましょう。
Q1.イームズラウンジチェアのメンテナンスはどうすれば良いですか?
メンテナンスなのにいきなりマウントの再接着が出てしまっています。
革用クリームは年一ぐらいという回答では不十分ですし、裏側のリザード部分というのが何のことかわかりません。
プラスチックは使われていないのでどのパーツの事を指しているのでしょうか。
内容は不正確なので参考にしてはいけませんね。
ちなみに参考になっているサイトのうち2つは私が執筆&撮影したものです。
Q2.日本で最初のポリプロピレン製の椅子はどれですか?
リッチェルバスチェアって何ですか?
こんな最近の椅子が日本初な訳ないですよね。
そして急に出てきたイームズチェアという曖昧な名称の椅子はシェルチェアの事ですが、1950年代ではありませんし、ハーマンミラーからのオファーでもないです。
Q3.セイルチェアにランバーサポートは必要ですか?
これはセイルチェアについての説明とは思えない内容です。
”腰痛がひどい場合はランバーサポートを装着することをお勧めします”という表現は良くないですね。
参考になっている記事を見ましたが、とても詳しい人が書いているとは思えないほど薄い内容の記事です。
一つのサイトについては他から内容をコピーしたアフィサイトですね。
AIの問題はこれもですね。
情報の根拠となっている記事が、SEO目的のアフィサイトだったりするので信憑性がありません。
結局は情報の正確さより、SEO的に正しいサイトが優先されるのは変わりませんのでただいたずらに誤った情報を広めているだけです。
ちょっといじわるな聞き方をしてみましたが・・・回答がめちゃくちゃです。
いきなり「版権」という言葉を使っています。
版権は著作物を指す言葉なので家具に対して使用するのは不適切です。ミスリードとも言えますし、知財に対する認識が違うとも言えます。
そのうえで”正規販売店以外のメーカーが、版権が切れた製品を製作しているため、リプロダクト品が存在することになります。”と書いているのは意味不明です。
現在はステンレスという説明も違和感があります。
まるで最近はステンレスになったと読めますが、そうなら誤った情報です。
この回答については論外ですし、むしろ害の方が大きいです。
だって信じる人がいますからね。
ということで、現時点では生成AIによる回答は正しくない情報を広めるため、とても使える代物ではないです。
先述の通りSEO的に強いサイトの検索結果を踏襲しているため、基礎がなっておらずAIが情報の真贋を判断できないため誤った情報を広めるだけです。
将来はAIがさらに優秀となり正しい情報発信が出来るようになると言われていますが・・・
どれだけAIが発達しようとも、インターネット上に無い情報を学ぶことは出来ないですよね?
だからいつまで経っても現場を知る詳しい人間の知識を超えることは出来ないと思われます。
私も書いても良い情報しかインターネット上に書きませんし、重要な情報ほどオフラインでしか話さないようにしてますから。
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