今回は基本に立ち返って椅子という名称の由来についてです。
椅子(いす)はもともと倚子(いす)と漢字表現がされていました。
倚には”よりかかる”のような意味があり、子は”小さい”を表す接尾語です。
つまり「椅子」はもともと「小さなよりかかるもの」という意味でした。
それが中世以降、禅僧が唐音を用いて「いす」を「椅子」と書くことが多くなったことで現代では「椅子」と書くのが普通になりました。
い‐し【×倚子】の解説
腰掛けの一。宮中では貴人高官が使用を許されたもの。形や背もたれ・ひじ掛けの有無などは身分により違いがあった。「螺鈿 (らでん) の―立てたり」〈源・若菜上〉[補説]中世以降、禅僧が多く使い、唐音を用いて「いす」といい、「椅子」と書くことが多くなった。引用先 倚子(いし)の意味 – goo国語辞書https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%80%9A%E5%AD%90/
「椅子」の「椅」は”木によりかかる”という意味を持ち、「木製で作られた小さなよりかかるもの」という意味を表しています。
椅子は木製が当たり前だった時代ですね。
そんな日本の椅子の歴史は中世以降に新たな素材が次々に生まれました。
最初こそ椅子は木製でしたが、そのうち金属の椅子が作られ、木製の椅子も曲木や合板と自由な形を成形できるようになり、第二次世界大戦以降はプラスチックの量産椅子が生まれ、ガラス、ビニール、ファイバー、ウレタンと本当に多くの椅子が生まれました。
つまり現代においての椅子の素材は木製とは限りません。
そう考えると、今でこそ「倚子」と表記した方が「人が寄りかかるもの」として意味合いが最も違いではないでしょうか。
私に常用漢字を変える力はありませんが、将来はより意味として近い物として倚子が使われているかもしれませんね。
以上、椅子の由来と意味でした。
コメント
誤字を見付けました。
>作れられ
ご指摘ありがとうございます。
修正しました。