アメリカンミッドセンチュリー期の名作デザインでもあり、家具界の中で最も有名な名作椅子の一つでもあるこの「イームズラウンジチェア」は、1956年にチャールズ&レイ・イームズ夫妻によってデザインされハーマンミラー社より発売されました。
今なお同社がクラフトマンシップに基づいた製造方法で正規品を製造し続けています。
そんなイームズラウンジチェアに2015年から「トールサイズ」が新たなラインナップとして加わっています。(日本では2016年発売)
「イームズラウンジチェア トール」はオリジナルデザインより大きなラウンジチェアです。
名作椅子を現代の事情に合わせてリデザイン
【イームズラウンジチェア “トール”】
1956年にイームズラウンジチェアが発表されてから半世紀以上の時が経ち、人々の平均身長や体型・体格は当時と比べて変化し大きくなっています。
イームズ夫妻の『終わりのないプロセス』という理念に従い、現代の人々へより快適な座り心地を求めたイームズラウンジチェア トールが新たにデザインされました。
これにより従来のサイズは「イームズラウンジチェア クラシック」と名付け呼び方を分けています。
クラシックと比べて、トールは高さが約57mm、奥行が約44mm大きくリサイズされています。
イームズ夫妻はオリジナルデザインにこだわらず、それがより良くできるのならOKという考えを当時から持っていました。
そこでイームズオフィスの協力によりトールサイズが生まれた訳です。
さて身長についてですが、1950年代の米国の平均身長は175~cmですが、現代も伸びてはいますがそれほど大きくは変わっていません。
情報参考元 http://honkawa2.sakura.ne.jp/2196.html
ただ欧米全体で見ると平均身長は国によっては180cmを超えるところも出てきたことで、世界的に見ると平均身長は伸びています。
昔と違いハーマンミラー社は世界で販売をしているため、トールサイズはこうした平均身長の伸びから求められた仕様ということでしょう。
日本だけで考えると現代でも1950年代の米国未満の平均身長のためクラシックが一般的でしょうね。
ただ身長が高い人にトールサイズは求められるサイズです。
「イームズラウンジチェア トール」は名作椅子といえどそのまま何も変えないというわけではなく、需要に合わせて形を変えることもあるという少ない事例です。
イームズラウンジチェア自体も耐久性アップのために合板の積層数を増やすといった仕様変更もしていますから、これもイームズ夫妻のより良くなるならOKという考えからくるものです。
これが実物のトールサイズのラウンジチェアです。
若干ヘッドレストの部分が長いですね。
トールは通常のイームズラウンジチェア クラシックより3万円弱高くなりますので、本当にサイズがぴったり合うかを確認した方が良いですよ。
(イームズラウンジチェア特別セットと比べると10万円ほどトールが高くなります)
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