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インテリアショップはなぜ衰退したのか。就職氷河期の労働力搾取と、変化に対応できなかった業界の末路

インテリアショップ

だいたい20年ぐらい前まででしょうか。

日本には、個人経営から中規模、大手まで、数多くのインテリアショップが存在し、雑貨屋も含めてバラエティ豊かな小売店が街に存在していました。

それから閉店や縮小を繰り返し、今では街からインテリアショップの類いはほぼ姿を消しました

特に雑貨屋は、ほとんど存在しなくなりました。

その一方で、ダイソー、3COINS、セリアなどが大きく躍進していますが、これも関係しています。

さて、インテリアショップが衰退した理由はいくつもあります。

 

一つ目は、そもそも労働力の搾取によって成り立っていたこと

今とは違い、日本はバブル崩壊後にデフレへと転換し、2000年代に入っても長期的な景気低迷が続きました。

そして、1990年代半ばから2010年代前半にかけて、就職氷河期と呼ばれる時代が続きました。

就職氷河期とは、バブル崩壊後の景気低迷によって企業が新卒採用を大幅に絞り込み、就職を希望しても正社員として就職することが難しくなった時代です。

特に1990年代後半から2000年代初頭にかけては厳しい状況が続きました。

企業が採用人数を減らし、非正規雇用が広がるなかで、若者が安定した仕事に就くこと自体が難しくなっていたのです。

大学を卒業すれば安定した職に就けるという、それまでの社会の前提が崩れた時代でもありました。※1

 

私も氷河期世代ですが、20〜25年ほど前に就職を迎えた人たちは悲惨なものでした。

当時は、大学を卒業しても就職先が見つからず、アルバイト生活を送ることも珍しくありませんでした。

東大や早慶といった難関大学を卒業しても、希望する企業に就職できず、アルバイトなどで生計を立てていた人たちがいた時代です。

それも能力不足の自己責任とされていました。

 

これが大きな歪みとなっており、どんなブラック企業でも働く人たちがいました。

というか、選択肢がなく、技術や能力がある人、学歴や経験がある人までがブラックな環境に身を落としていました。

 

「働けるだけありがたいと思え!」という時代です。

本来なら、そんな企業に就職する必要のないレベルの人材が集まった時代なんです。

この経験が問題で、企業は今でも、優秀な人材が低賃金かつブラックな環境でも働いてくれると勘違いしています。

 

これがインテリアショップや家具業界にもあり、最低賃金で、ブラックな環境でもやる気のある人たちが働いていました。

今では考えられない人材です。

最低賃金で店頭での接客から家具の修理や配達までやり、ECの運営や宣伝、仕入れや企画の段取りまで、ありとあらゆることをやっていました。

そして、修行の場と考えていたこともあり、時間外労働は当たり前でした。

就業時間外も家具の勉強をし続けていました。

また倫理観もあり労働に従事していました。

 

私もそうです。何でもできるけど最低賃金でした。

というか、私の場合は未払いまで行ったのですが、それは別の話です。

 

また、夢や理想があったので働く人たちがいました。

それが幻想だとしても……。

 

他業界にも言えることですが、どれだけ辛くとも、それを乗り越えた先に自分のやりたいことや理想がありました。

でも、実際にはそんなものはありませんし、その上の世代がそれを享受できたのは、たまたま運がよかっただけです。

 

どうです? 経営者としては最高ですよね?

だって、最低賃金が800円以下の時代ですよ。

それで勤務時間前と勤務時間後の無賃労働をさせ、あとは任せておくだけで全部やってくれるんですから。

お店の売上を日々考えて働き、自発的に営業活動までして、そのうえ、売上のために自腹を切って自分の店で商品を購入するんですよ?

売上が悪ければ、従業員を詰めるだけの簡単なお仕事です。

従業員に「お前の代わりはいくらでもいるんだ」と言える時代です。

だから、何の経営能力もセンスもないのに、人件費の搾取によって成り立っていただけなんですよ。

今はこんな人材は絶対に来ません。

 

だから、今の労働人材のレベルが低いと嘆くのはおかしくて、待遇並みのレベルの人材が来ているだけなんですよ。

そもそも、高レベルな人材がブラックな環境で働いていた過去が異常だったんです。

もう夢から覚めないと。

 

結局、バブル崩壊後に既得権益を守るために現役世代を使いつぶしただけなので、そりゃ終わりますわ、というのが感想です。

 

月収14万円程度で無遅刻無欠勤、サービス残業は当たり前。指示はちゃんと聞いて、毎日工夫をして、雑用も含めたありとあらゆる仕事をこなし、売上を上げるために日々考えて行動する。

問題点があれば報告をして、お客様至上主義に取り組み、口答えはせずに働く。

そんな人材が当たり前にいたわけではないんですよ。

経営者は都合の良い労働奴隷が欲しかっただけで、もう今はこんなことはあり得ないんです。

この水準が当たり前だと思われていた日本が異常だったんです。

違うんですよ。無遅刻無欠勤で働くだけでも、十分にありがたい人材なんですよ。

世界的に見たらそれだけで優秀なんですよ。

 

フリーターという存在

また、昔はフリーターを自由で稼げる存在として扱う社会でもありました。

今はフリーターなんて聞かないですよね?

それが過去には、フリーターは気ままで自由で素晴らしい存在として扱われていたんですよ。

ただの企業にとって都合の良いブランディングですけどね。

このフリーターが現場を支えていました。

ひと昔前まで、コンビニのアルバイトは若い日本人フリーターの仕事でしたし。

そんな若いうちにフリーター生活に身を落とした氷河期世代は、今も不安定な状況から抜け出せず年だけ取っている状況です。

 

二つ目は、仕入れの安さと容易さ

前職の前職のインテリアショップに私が勤務していたときの話です。

そこはよくある独自仕入れのインテリアショップだったのですが、主な仕入れ先は中国の広州でした。

そこで大量に仕入れて輸入し、パッケージを変えて販売していました。

牛革製のストラップの仕入れ値が20銭でしたからね。それを1,500円で売るんです。

そりゃ儲かりますよ。

当時は東南アジアなどで格安の仕入れが簡単にできて、それっぽいものを見つけてきて輸入し、オリジナル商品として売るだけでした。

 

今と違い、インターネットが発達しておらず、中国のECサイトから直接購入することも、今ほど一般的ではありませんでした。

そのため、現地で流通している商品の情報が国内に広く出回ることもありませんでした。

信じられないぐらい安いため、利益率は最高に良いです。

その代わり、歩留まりは最悪でしたが。

 

あまりにもB品が多かったですが、安売りをしてしまえば良いですし、B品があろうが、仕入れ値を考えたら些細なことです。

というか、B品の処理だって現場の人間に考えさせてやらせるだけです。

中国以外にも、東南アジアやヨーロッパなど各地で、とにかく安く見つけて仕入れられたので簡単でした。

 

三つ目は、競合の少なさ

ネットショップが珍しかった時代です。

あったとしても、ごく一部の人だけが利用する世界でした。

今では想像できないでしょうが、ほんの20年前は、ネットショップでクレジットカード決済を導入するにも、現在のように簡単に手続きを済ませられるわけではありませんでしたし、利用者もかなり限定的な状況でした。

 

店頭で現物を確認してネットショップで購入するショールーミングも、今ほど一般的ではありませんでした。

スマホも普及しておらず、インターネットで得られる情報も現在とは比較にならないほど限られていました。

ウィンドウショッピングという言葉があったとおり、実際にお店に行くこと自体に価値があったんです。

 

さらに、競合店の商品や価格をネットで簡単に比較することもできず、多くのお店があること自体が相乗効果にもなり、人々が街に集まりました。

もう今では考えられないですが、ひと昔前はカタログ注文も店頭で行われていました。

店員がカタログを広げて、それを取り寄せて注文するやり方です。

それを引き取りに、またお客様は来店するんです。

面倒の極みですが、こうしないと欲しい商品が手に入らない時代でもありました。

 

こんな状況なので、特に工夫や競争があったわけでもありません。

だからこそ、その後の世界の変化に耐えられるはずもありません。

 

四つ目は、ダイソー、3COINS、セリアなどの躍進

特に大きいと思うのは、ダイソー、3COINS、セリアといった、もともとは格安雑貨を扱っていたブランドが、今では高品質で便利なライフスタイルグッズを販売する店へと変化を遂げたことです。

インテリアショップの得意としていたところは、まさにここだったんです。

家具が売上のメインではありませんでした。

雑貨で売上を作り、家具でプラスアルファというのがやり方でした。

インテリアショップは、お洒落で便利なインテリアがある場所として活躍していたんです。

ほかにはない、洒落た生活改善グッズがある場所でした。

 

それが、はるかに安い価格でお洒落で便利なグッズがダイソーなどで発売されるようになれば、そりゃ役目はなくなります。

日常的に使う雑貨や収納用品、生活改善グッズなど、インテリアショップが得意としていた領域の一部が、さらに低価格で手に入るようになったことは大きいです。

 

以上が大きな要因です。

 

結局、搾取で成り立っていただけの業界なんです。

経営者に能力がないのはこれも理由で、搾取をするだけの簡単なお仕事なので、根本的に育っていません。

この経験があったので、業界全体が進歩しなかったんです。

競争があって、工夫をして生き残ってきた業界ではないので、経験不足であり、今でもマーケティングのレベルが旧世代のままなんです。

今のセール連発を見ればわかります。これが答えです。

売れないからセールをする。

こんなの子供でもダメなのがわかるような安易なかつ滅びるやり方ですよ。

経験も努力もしてこなかったので、能力がないまま現代に来てしまっているんです。

 

これがインテリアショップの衰退についての私の見立てです。

これで私を非難する人もいるでしょうが、目を背けている限りはどうにもならないです。

というか、これで私を非難するようだからダメなんですよ。常に他責思考です。

 

自己責任。努力不足。能力不足。いやなら辞めろ。お前の代わりはいくらでもいる。

 

これ、氷河期世代が散々聞かされていたことです。

いまその言葉を返してあげます。

 

そもそも社会の縮図なのではないか

そもそも、これは社会の縮図のような気がします。

実際、この社会はインフラや社会にって必要な部分で頑張っている氷河期世代が働けなくなったら終わり、という感じはあります。

きつい待遇でもそれを続けるしかない人たちがいるからです。

 

就職氷河期に、本来ならもっと評価されるべき能力や経験を持った人たちが、低賃金や不安定な雇用、過酷な労働環境を受け入れざるを得なかった。

その環境に依存してきた企業は、人材を育てることも、適正な待遇を用意することも、経営そのものを改善することも十分に行わずに済んでしまった。

しかし、そのような働き方を当たり前のものとして続けることはもうできません。

 

もう少し続きますが、ヴィ〇ヴァンの衰退のひとつにフリーターの存在が大きかったです。

というのも、ひと昔前までピアスをしているだけで雇用がされなかったんです。

アルバイトですらそんな時代でした。

そんな中でヴィレバンだけが服装自由だったんです。

気ままにお洒落をしていきたいという人の受け皿がここでしたし、フリーターになるしかありませんでした。

その代わり社会保証なしで最低賃金かつ昇給や将来性は無しでした。でも楽しいしサブカルに触れたい人たちがたくさんいたので求人に困っていなかったんです。

とにかくカスみたいな製品でもポップひとつで売れて、最低賃金で働く人たちがいくらでもいた。

こんなことで成り立っていた商売、そりゃ続けられないですよ。

 

 

※1:就職氷河期の時期や厳しさは、卒業年度や調査によって異なります。大卒求人倍率などの推移については、リクルートワークス研究所の「大卒求人倍率調査」を参照してください。

参考資料:リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査」

 

 

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この記事を読んだAIの感想

私がこの記事を読んで最も強く感じたのは、インテリアショップの衰退は、単なる小売業の競争力低下ではなく、安価な労働力と市場環境に依存していた旧来型経営の限界が表面化した結果なのではないかということです。

特に興味深いのは、労働力、仕入れ、競争環境、商品価値という四つの要素が、すべて過去の時代背景と密接につながっていることです。

1. 人材の能力ではなく、労働力の安さに依存していた

この記事の中で最も重要なのは、就職氷河期世代の労働環境についての指摘だと思います。

当時は、大学を卒業しても正社員になれない人が大勢いました。

その結果、本来なら相応の待遇で採用されるべき人材まで、低賃金の仕事に流れ込んでいました。

インテリアショップも、その恩恵を受けていたわけです。

接客、家具の修理、配送、商品知識、仕入れ、EC運営、宣伝、企画。

これだけの業務をこなせる人材を最低賃金で雇用できる。

しかも、本人は仕事に夢や理想を持っているため、自発的に勉強し、営業時間外にも努力する。

経営者からすれば、これほど都合の良い経営環境はありません。

しかし、これは経営能力ではありません。

本来なら人件費をかけて組織化し、業務を分担し、仕組みを作らなければならないところを、個人の能力と献身に依存していただけです。

つまり、企業が持っていた競争力の一部は、実際には従業員個人の能力によって成立していたわけです。

ここが重要です。

経営者は自分たちの経営手法が優れていたと思っていたかもしれませんが、実際には労働市場の歪みによって成立していた部分が大きい。

その環境がなくなれば、当然ながら同じ経営はできなくなります。

2. 仕入れの優位性も、時代によって与えられたものだった

中国や東南アジアから格安で商品を仕入れ、パッケージを変えて販売する。

当時はこれだけで大きな利益を生み出せました。

しかも、一般消費者は海外の流通事情をほとんど知りません。

仕入れ先と消費者の間に大きな情報格差があったため、商品を見つけて輸入すること自体に価値がありました。

しかし、インターネットの普及によって、その情報格差は急速に縮小しました。

今では中国のECサイトを通じて、消費者自身が商品を探せます。

海外の工場や卸売業者にアクセスすることも難しくありません。

つまり、かつてのインテリアショップが持っていた仕入れの優位性は、時代の変化によって失われたわけです。

ここで露呈したのは、商品を作る能力と、安く仕入れる能力の違いです。

安く仕入れることができなくなったとき、自社に何が残るのか。

この問いに答えられない企業は、競争力を維持できません。

3. 競争がなかったから、競争に対応する能力も育たなかった

これは非常に重要な部分だと思います。

昔は、実店舗に行かなければ商品を確認できず、価格比較も簡単ではありませんでした。

ネットショップもまだ一般的ではなく、消費者が得られる情報は限られていました。

そのため、店舗が存在すること自体に価値がありました。

しかし、現在は違います。

消費者はスマートフォンで商品を検索し、価格を比較し、口コミを確認し、海外の商品まで購入できます。

この環境では、単に商品を仕入れて並べるだけでは選ばれません。

店舗に行く理由、そこで購入する理由、他店ではなく自社を選ぶ理由が必要になります。

ところが、過去の市場環境で成立していた企業は、そうした競争に対応する経験を十分に積んでいません。

だからこそ、今でもセールを繰り返すような旧来型の販売手法から抜け出せない。

売れなければ値下げする。

利益が減れば、さらに売上を追いかける。

しかし、そもそも顧客に選ばれる理由を作るという発想が弱い。

記事で指摘されているマーケティングの問題は、ここにつながっていると思います。

4. ダイソーや3COINSは、インテリアショップの存在意義を奪った

個人的には、ここが小売業の変化として最も象徴的だと感じます。

かつてインテリアショップに行く理由の一つは、生活を便利にする、お洒落な雑貨を見つけることでした。

収納用品、キッチン用品、装飾品、生活改善グッズ。

こうした商品を見て回ること自体が楽しみでした。

ところが、ダイソー、セリア、3COINSが成長し、同じような領域の商品を低価格で提供するようになりました。

しかも、単に安いだけではなく、デザイン性や実用性も向上しています。

これはインテリアショップにとって非常に大きな変化です。

自分たちが得意としていた商品領域を、より大きな販売網と調達力を持つ企業に奪われたわけです。

そして、価格でも品揃えでも勝てない。

では、何で勝負するのか。

この問いに答えられなければ、店舗の存在意義はなくなります。

5. ヴィレッジヴァンガードの話は、労働力の問題をさらに象徴している

この記事の最後に出てくるヴィレッジヴァンガードの話も、実は非常に重要です。

かつては、服装や髪型、ピアスなどに対する社会の制約が強く、自由な格好で働ける職場は限られていました。

その中で、ヴィレッジヴァンガードはサブカルチャーが好きな人たちにとって、働くこと自体に魅力のある場所でした。

好きなものに囲まれて、好きな格好で働ける。

その魅力が、低賃金でも人材を集める力になっていたわけです。

そして、店員の個性や知識、手書きPOPなどが店舗の魅力を作っていました。

しかし、これも労働者の情熱に依存した仕組みです。

好きだから働く。
楽しいから頑張る。
自分の趣味だから勉強する。

こうした個人の熱意によって、店舗の価値が作られていました。

企業は、その熱意を経営資源として利用できたわけです。

しかし、生活環境が変わり、給与や将来性が重要になれば、同じ条件で働く人はいなくなります。

つまり、かつての店舗の魅力を支えていたものが、同時に経営上の弱点でもあったということです。

最後に感じたこと

この記事を読んで、私が最も重要だと思ったのは、日本の企業には、自分たちの実力と、時代によって与えられた優位性を混同してきた部分があるのではないかということです。

安い人件費。
安い海外仕入れ。
情報格差。
競争の少なさ。
従業員の情熱。

これらが揃っていた時代は、それほど高度な経営をしなくても商売が成立しました。

しかし、時代が変われば、その条件は失われます。

人件費は上がり、仕入れの優位性はなくなり、消費者は情報を持ち、競合は世界中に存在します。

その結果、今まで隠れていた経営能力の差が表面化している。

私は、この記事の本質はここにあると思います。

そして、就職氷河期世代の問題とも深くつながっています。

あの時代に、能力のある人たちを低賃金で使い続けた企業は、人材を育てることも、組織として成長することも十分に必要としませんでした。

その結果、労働者の能力は個人に蓄積されても、企業の能力としては蓄積されなかった。

これは非常に大きな損失です。

人材を使いつぶして成り立っていた企業は、人材がいなくなったとき、自分たちには何も残っていなかったことに気づく。

インテリアショップの衰退は、そうした日本型経営の問題を象徴しているように感じました。

そして、これは単なる過去の話ではありません。

今でも待遇を改善せず、昔と同じように人材を確保しようとしている企業があるなら、同じ問題は別の業界でも繰り返されると思います。

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