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「椅子に座って疲れる」は間違いだった──“疲れない椅子”という幻想が生む健康の崩壊

椅子に座って辛い男性

オフィスワーク、デスクワーク、ゲーミングチェア……座り仕事に欠かせない「椅子」ですが、その業界に潜む根本的な問題をご存じでしょうか。

それは「座り続けることを“疲れる”と表現していること」です。

これが問題だと辿り着きました。

本稿では「座り続けて『疲れる』という表現は誤解だ」と考える理由と、その誤解が業界・消費者にもたらす悪循環を解説します。

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「座り続けて疲れた」は本当に“疲労”か?

椅子に座って辛い女性

「座り続けて疲れた」「疲れにくい椅子がほしい」——こうした表現は日常的に使われますし、メーカーも「疲れにくい」「長時間でも快適」といった訴求を繰り返します。※疲れにくいは薬機法に接触します

しかし、ここに重要な言葉のズレがあります。

一般に「疲れる」と言うとき、人は筋肉を使いすぎて消耗した状態や、長い運動の後に感じる疲労を想像します。

一方で「座る」は、動作としてはむしろ不活動にあたります。

では、同じ姿勢で座り続けて感じる違和感や重だるさ、こり、痛みをなぜ“疲れ”と呼ぶのでしょうか。

答えはシンプルです。

多くの場合、座ること自体が疲労を生んでいるのではなく、同じ姿勢を取り続けることで生じる血流の滞りや筋肉の硬直、神経圧迫が不快感を生んでいるのです。

それが直感的に「疲れた」と表現されているに過ぎません。

寝過ぎて「疲れる」感覚も同じ構造

同様の現象は「寝過ぎて疲れた」という表現にも当てはまります。

本来、睡眠は回復行為ですが、長時間同じ姿勢でいると筋肉がこわばり、血流が悪くなり、目覚めてもだるさや不快感が残ることがあります。

これを見ても、「疲労=活動による消耗」という定義が必ずしも当てはまらない場面があることが分かります。

なぜ「座り続ける=疲れる」という誤認が生まれるのか

この誤認の背景には少なくとも二つの要因があります。

  1. 言語の慣用的な使い方
     日常語として「疲れた」は広い意味で使われます。言葉の使い方が変化する過程で、本来の意味が薄れることは珍しくありません。

  2. マーケティングと消費者の期待
     「疲れない椅子」「長時間座っても楽」という謳い文句は、商品の差別化にとって強力です。メーカーは「座ったままで快適でいられる」ことを商品価値として提示し、消費者もそれを求める。結果として、座ったまま動かないことを肯定する製品群が拡大しました。

この構造は、問題の根本解決(“動く習慣”の導入や環境設計)よりも、その場しのぎの快適さ提供を利益に変える資本の論理に合致します。

座ることが身体に与える生理学的な影響

人間は二足歩行と起きて動くことを前提に進化してきました。長時間座ると次のような影響が起きやすくなります。

  • 筋ポンプ機能の低下:ふくらはぎや太ももの筋肉が動かないことで下肢から心臓への血流補助が弱まり、静脈還流が低下する。

  • 筋肉の部分的な緊張・硬直:同じ筋群が長時間使われる(もしくは固定される)ことで血行不良やこわばりが発生。

  • 神経圧迫や局所の血行障害:姿勢によっては神経や血管が圧迫され、不快感やしびれを招く。

これらは「運動による消耗」ではなく、動かなさすぎることによる不調です。したがって、最も有効な対処法は「さらに座る(=休む)」ではなく、立ち上がって動くことになります。

(参考例:職場の腰痛対策ガイドラインや国際的な身体活動勧告では、長時間の座位を避け、こまめな活動を推奨しています。)

「疲れない椅子」が本当に解決しているのか

リクライニング、厚いクッション、フットレスト、ヘッドレスト——これらは座っている時間をより快適に延ばすことには成功します。

しかし問題は別です。

座ったままで快適であればあるほど、人はますます動かなくなります。

結果として筋力低下、姿勢悪化、慢性的な腰痛・肩こりが進行する可能性があります。

つまり、「疲れない椅子」を追求することが長期的な健康を損ねるパターンに繋がり得るのです。

悪循環の仕組み

  1. 「疲れた」と感じる → 休みたい(=座りたい)と認識

  2. 「疲れない椅子」を買う・使う → より長く座る

  3. 運動量が減る・筋力が落ちる → 次第に同じ姿勢でも不快感が増す

  4. さらに「疲れない椅子」を求める、という循環

この流れが個人の健康だけでなく、椅子市場の設計思想や流通構造にも影響を与えています。

では、正しい対策は何か?

  • 「休む=座る」ではなく「動く」ことを第一選択にする:短時間でも立ち上がって歩く、軽いストレッチをする。これだけで血行が改善し、不快感は軽減します。

  • 環境を『動ける設計』にする:スタンディングデスクの導入、定期的に立ち上がることを促すオフィス文化、休憩を取りやすいレイアウトにする。

  • 椅子は補助と割り切る:椅子は快適性も大事ですが、長時間座り続けないための「きっかけ」を阻害しないこと(たとえばリクライニングでの過度な惰眠を促さない設計など)も重要です。

  • 教育・啓発:ユーザー側に「動く習慣」を定着させる情報提供が必要です。椅子だけで問題を解決しようとするのは不十分です。

 

まとめ:「疲れる」のではなく「不自然な姿勢で辛くなる」が正解

座り続けて感じるのは「疲れ」ではなく「姿勢の固定による筋肉や血流の不調」です。

休息ではなく「動く」ことが最も効果的な改善策です。

これからは「疲れない椅子」を探すのではなく、「動ける環境」「立ち上がる習慣」を意識することが、腰痛や肩こり、疲労感の根本解決につながります。

 

気づいた人は自分の為だけに取り組んだ方が良いです。

自分の人生をどうにかするのは自分しかありませんから。

 

筆者のお店「case study shop NAGOYA」

ミッドセンチュリーデザインの専門家のオンラインショップです。
初代ハーマンミラーエルゴノミックアドバイザーであり、ハーマンミラーコレクションアンバサダー(全国一位)でもあります。
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