– Nelson Cane Bench (model 5291) –
デザイナー:George Nelson (ジョージ・ネルソン)
Nelson Cane Bench(ネルソンケーンベンチ)は1954年にジョージ・ネルソンがデザインしました。当時は米国のHerman Miller(ハーマンミラー)社が製造販売をしていました。
このベンチは1949年にデザインをしたネルソンプラットフォームベンチから派生したものですが、バリエーションではなく別のベンチとして発売がされたものです。
籐を使ったネルソンの珍しい家具「ネルソンケーンベンチ」
このケーンベンチは数年間しかカタログに載せられていなかったため流通量が少なくヴィンテージ市場でもレアな個体です。海外の著名なオークションで稀に出品がされているレベルです。
そのためケーンベンチはあまり情報がありません。公式情報によると実験的に作ったと記載があります。
ネルソンデザインでは珍しい座面に籐を使った家具で、脚はメタルレッグだけで展開されたようです。
このメタルレッグはネルソンプラットフォームベンチと共通のものです。
どうしてベンチの座面を籐にしたのかはわかりません。(私が知らないだけ)
想像ですが、バウハウスの影響か北欧ブームの影響のどちらかがあったのではないでしょうか。
バウハウスはマルセル・ブロイヤーやミース・ファン・デル・ローエらが籐を使った家具をデザインしており、当時のアメリカはまだまだヨーロピアンデザインの家具が一般的だったこともありそこからの影響があったのかもしれません。
もしくは北欧ブームですが、実は50年代に米国では北欧ブームがあったそうなんです。
これは昔の本を読むとそのことが書いてあります。40年代からエリエル・サーリネンやジェンス・リゾムを代表とする北欧由来のデザイナーたちによる普及活動があったそうで、その甲斐もあってからのブームがあったようです。
籐を使った家具自体はバウハウスや北欧固有のものではありません。
籐の家具は古代エジプトから存在するらしく、日本でも1000年以上前から籐の家具は存在します。
それが一週も何週も回って2022年現在に人気が高い素材となっています。
北欧ブームもそうですが時代は回りますね。
ネルソンケーンベンチも公式写真ではコーヒーテーブルとして使っている写真があります。
二台並べていますが、この手法はネルソンベンチの頃からあります。
やわらかな印象なので見た目にも良いですが、果たして籐座面をテーブルとするのは大丈夫なのか気になります。
座面の沈み込み具合がよくわかります。
ネルソンケーンベンチは2021年にハーマンミラー社が正規復刻をしました。
まだ日本での発売は未定ですが2022年度中には発売するのではないでしょうか。
発売するようなら本ページを更新します。
※追記
私のお店case study shop NAGOYAで販売を開始しました。
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