ダニング=クルーガー効果とは、能力が低い人ほど自己を過大評価する認知バイアスです。
始めたばかりの時は本来の実力や現状を理解する能力が欠如しており「自分は出来る」と過大評価をしてしまいます。
その分野を追求するごとに自己認識と実際の実力のズレが無くなってくることで現状を理解することで自信も無くなってきます。
そのうち本当に専門家になるぐらいには自信も戻ってきます。
これは仕事を独立し起業や開業をすると陥りやすいです。
大抵の場合は独立する算段をもって仕事をスタートしますのである程度の自信はあります。
すると『独立までして仕事をする自分はすごいやつなんだ!人より優れているんだ!』といった驕った気持ちが出てきます。
周りもちやほやしてくれるし『独立するなんてすごい!』なんて言ってもらえるのがさらに拍車をかけます。
しかしそれで最初からずっとうまくいけば良いですが、商売(ビジネス)なんてものはどうなるかわかりません、全然うまくいかずに苦しむ時が来てしまいます。
すると『自分はすごいのに!自分は正しいのに!自分は頑張っているのに!売上が上がらないなんておかしい!依頼が無いのはおかしい!注文が無いのはおかしい!』なんて思考になってしまいます。
残念ながらその売り上げは現状の評価としては妥当だったりします。
それを本人は理解できず、もっと自分はレベルが高い存在だと思っているため自己評価と伴わない売り上げにギャップを感じます。
すると、自己を過大評価しているため責任を自分に求めず『うまくいかないのは周りが悪い!自分を評価しない人が悪い!世の中が悪い!』なんて考えに陥ってしまいます。
自分で商売をしていて問題を周りのせいにしてしまったらまずいです。
さらに状況は悪化します。
この時点で辞めてしまうとそれまでですが、耐えて続けていると自分の能力に問題があることに気づきます。
仕事だけに限った話ではないですが、やればやるほど次々に強い相手が出てきますから自分のちっぽけさを知ります。
いまだかつてないフィールドに自分が立ったときに己の実力の無さを知るわけです。
自分のレベルが上がるごとにそれに伴う相手が出てくるわけですからね。
『あ、自分なんて全然大したこと無いし、すごいことなんてなにもできていない、だからうまくいかないんだ』と自分の評価をちゃんとわかってきたら知恵を振り絞ってうまくいくような取り組みをするようになります。
自己認識を改めて、やり方に問題があるから結果が伴わないと認めることが出来たら良いです。
いずれその筋の専門家として世間に評価されて認知されたころには『自分なんてまだまだだけど少しはわかってきたかな』という考えになります。
なれなかったら・・・終わりですね。
ダニング=クルーガー効果はどの分野でも当てはまることなので注意が必要です。
自惚れてうまくいくならそれで良いですが・・・難しいでしょうね。
だから考えを改める必要があります。
仕事を始める時には気を付けてください。
現状を正確に理解するというのは難しいものです。
己惚れていてもそれに伴う実力が最初からある人には関係のない話ですね。
最初から全部上手くやれる人もいますから。
コメント