この椅子は2013年に作り上げたイームズシェルチェアの張り替えたものです。
英国で最も有名なウールブランド「HARRIS TWEED」をヴィンテージシェルチェアの張替えに使った特別なイームズシェルチェアです。
タグも縫い付けていましたので正規ルートで生地を取り寄せした証拠となっています。
2年ぐらいはこのハリスツイードシェルチェアを製作して販売していましたが、それ以降は販売するを辞めています。
理由は生地や張替え価格の値上がりにより継続が難しくなったので潔く全部やめた次第です。
こういうのはその時だけ販売して辞めてしまうのが良いんですよね。
そしたらその時に購入した方々は特別感もありますから。
ハリスツイードシェルチェアを作ったわけ
どうしてこの椅子を作ることになったかですが、きっかけは私が履いていた靴でした。
2013年当時、私はハリスツイードをパッチワーク状にしたオールドスクールなシューズを好んで履いていました。
ちょうどその時はイームズシェルチェアに張る良い生地が無いか考えていた時でした。
そこでごく自然に自分の靴に注目をして「ハリスツイードの生地を張ったシェルチェアを作ったら格好良いのではないか?」と思ったんです。
ハリスツイード生地を椅子に張ったものすら見たことがなかったので、先駆けになれると思ったんです。
※実は既にイデーでソファが作られていましたが後で知りました・・・
ここまではまあ普通に思いつくことなのですが、問題はどうやって実行するかでした。
ハリスツイードの入手経路もわかりませんし、公式があるのかどういった団体なのかもわかりませんでしたから、勝手に生地を購入して作ってはまずいことになるではないかと懸念もありました。
(買い方がわかりませんけど)
それを前職の社長と会った時に直接相談したのですが、あまり良い反応がなかったんです。
「あれ?自分だけが良いと思っているのかな?」と疑問になっていましたが、ある日その社長から電話があり『ハリスツイードでシェルチェアを張替えた』という連絡があったんです。
反応が薄かったわりにハリスツイードでのシェルチェア張替に興味を持っていたらしく、正規で輸入できるルートを探していてくれていたんです。
それからタグの貼り付け位置と柄についてお互い相談をして決めて、そうしてハリスツイードシェルチェアが出来上がりました。
あとはベースをどうするか考えました。
せっかくのハリスツイードシェルチェアですから、インテリアとしても楽しめるようなデザインになる方が良いと決めたのがラウンジベースでした。
これなら飾っておくだけでも良いですし、座ってもウール素材の良さも体感できます。
エッフェルベースやウッドベースでも後に製作しました。
アームシェルはロッカーベースかラウンジベースのどちらかを付けて製作しました。
おかげさまでハリスツイードシェルチェアは非常に評判が良く、作ったら作った分だけ売れてくれました。
シェルチェアの持ち込みでハリスツイードに張り替えたいという要望がかなりあったのですが、そういったことは断るようにしていました。
しかし、先述の通りハリスツイード自体の価格が上がったことや、シェルチェアの張替えにの継続に難が出て来たことで無理して継続するよりも終了を選びました。
今からもやろうと思えば出来ますけど、特に理由もなくやるよりは何かきっかけやタイミングがあった時の方が良いですね。
今でもハリスツイードシェルチェアはあったら欲しいという人が多そうですけどね。
シェルチェアとまた特別に相性が良かったのがハリスツイードです。
以上、思い出話でした。
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